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インフルエンザの「型」についての知識

掲載:2009年09月04日

コラム

マスコミ報道などを見ると、インフルエンザには「A型」・「B型」・「H1N1型」・「ヒトインフルエンザ」・「トリインフルエンザ」・「香港A型」・「ソ連A型」・「スペインかぜ」・「アジアかぜ」というように、様々な呼称や分類があります。このインフルエンザの「型」について整理してみましょう。

         

そもそも「インフルエンザ」の定義とは?

インフルエンザとは、“インフルエンザウイルス”が宿主(人・鳥・豚など)に感染することによって引き起こされる感染症のことを指します。症状としては高熱・筋肉痛などが挙げられますが、脳症や二次感染などによって宿主が死亡することもあります。

インフルエンザウイルスはA型・B型・C型の3つに大別される

インフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスは、まずA型・B型・C型の3つに大別されます。この3つの型の特徴は下表の通りですが、この特徴により、頻繁に大流行を起こすインフルエンザはA型インフルエンザウイルスによるものが多いことは容易に想像できます。強毒性が危ぶまれるトリインフルエンザもA型ですし、2009年4月頃から流行している新型インフルエンザ(別称:豚インフルエンザ、H1N1型)もA型です。
 
【インフルエンザウィルスの特性】
  宿主(何に感染するか) 感染力 症状
A型 人間及び家禽類 ・強い(遺伝子変異し易いため)
・大流行を起こす可能性が高い
重い
B型 人間のみ ・強くない(遺伝子が比較的安定しているため)
・流行する可能性は高くない
A型よりは軽い
C型 人間のみ ほとんど症状がなく、感染したことが分からないこともある。従って問題にならない。

HxxNyyという型=亜型

次に、HxxNyyという記号で表現される型についてですが、これは「亜型」とも呼ばれ、A型とB型のインフルエンザウイルスの構造に依存します。A型とB型のウイルス粒子表面にはヘマグルチニン(赤血球凝集素、HA:haemagglutinin)とノイラミニダーゼ(NA:neuraminidase)という糖蛋白があり、HxxNyyの「H」はヘマグルチニン(=HA)を指し、「N」はノイラミニダーゼ(=NA)を指します。

A型インフルエンザウイルスにはHAとNAの変異が特に多く、これまでHAに16種類、NAに9種類の大きな変異が見つかっており、その組み合わせがHxxNyyで表される亜型です。つまり理論的にはA型インフルエンザウイルスには16×9=144の亜型が存在します。また同じ亜型でもさらに細かい差異があり(上記表では「遺伝子変異し易い」と記載)、インフルエンザ流行の原因となっています。

インフルエンザの一般的呼称とその型

最後に、これまで流行したり話題になったインフルエンザの呼称が、上記で説明してきたどの型のインフルエンザウイルスによるものかを下表にまとめます。
 
インフルエンザの一般的呼称 インフルエンザウイルスの型
スペインかぜ A型:H1N1型
ソ連かぜ A型:H1N1型
香港かぜ A型:H3N2型
トリインフルエンザ(人間への感染が確認されているもの) A型:H5N1型
豚インフルエンザ A型:H1N1型・H2N3型
新型インフルエンザ(2009年に流行しているもの) A型:H1N1型
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