情報処理推進機構(IPA)は5月30日、2022年版の「DX推進指標 自己診断結果分析レポート」を公開しました。2020年から毎年、分析レポートを発表しており4年目となる2022年版では、分析対象企業数が前年比8倍以上の3,956社となり、そのうちの約9割を中小企業が占めました。
DX推進指標とは経済産業省が2019年7月末に公開したツールであり、DXへの取り組み状況を自己診断するためのものです。経営とITの観点から求められる35の項目について、レベル0からレベル5までの6段階で評価(自己診断)します。35個のうち9個は経営者が回答する項目です。
2022年は中小企業からの回答提出が突出して多くなりました。これは経済産業省の中小企業向け補助金「ものづくり補助金」の一部に、DX推進指標の自己診断結果を提出するよう規定されたためと考えられます。そのため2019年からの3年間では中小企業と大企業の回答比率はおよそ3対7と大企業が多くを占めていましたが、2022年では比率が逆転し9対1となりました。これに伴い、これまでみられなかった水産・農林業といった業種からも回答の提出がありました。提出した企業数も前年から3,819社増加しました。
分析レポートでは、指標における「現在値」と「目標値」の平均などを算出しています。それによると全3,956社の現在値の平均は前年よりも0.76低下し1.19となりました。一方、回答者を大企業に絞ると、現在値の平均は前年より0.01低下した2.04となり、過去最高となった昨年と同程度でした。