「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024」を公表 経産省
掲載:2024年07月18日
サイバー速報
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経済産業省の「デジタル時代の人材政策に関する検討会」はこのほど、「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024~変革のための生成AIへの向き合い方~」と題した報告書をまとめ公開しました。報告書は生成AIを適切に利用するための人材・スキルの考え方について、企業などへのヒアリングと検討会委員の意?などを踏まえて作成されました。
報告書はまず、生成AIの利活用について現状・課題・今後を整理した上で、生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルを提示しました。「DX推進スキル標準」(2022年12月策定)では、DXを推進する専門人材として5つの人材類型に区分して定義しています。そのうちの一つであるサイバーセキュリティについては、パターンマッチング(コンピュータウイルスの検出手法)や社内ヘルプデスクなどに生成AIを活用することで業務の効率化が見込まれる一方、生成AI利用に伴う情報漏えいや出力情報の正確性の担保、生成AIを駆使したサイバー攻撃などに対処する能力が求められるとしました。具体的には、生成AIサービスの利用ポリシーを定め、自組織に周知・研修することなどの管理スキルのほか、生成AIサービスを導入する際のシステムの設計・構築・運用・保守スキルが求められるなどと整理されています。
報告書には経済産業省における政策対応も記載されています。例えば、DX推進スキル標準の見直しもその一つで、実際に今年7月、改訂されました。生成AIを用いる際には権利侵害・情報漏えい、倫理的な問題などがないよう求める内容が補記に追加されました。このほか、デジタルガバナンス・コードの見直しやAI学習機会の裾野の拡大、生成AI時代に求められる継続的な学びの実現に向けた環境整備が挙げられています。
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