「信頼できるパートナーになるためのデータガバナンス読本」を公開 IPA
掲載:2025年02月17日
サイバー速報
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情報処理推進機構(IPA)はこのほど、「信頼できるパートナーになるためのデータガバナンス読本」を公開しました。データの価値を最大化し組織の信頼度を高めるための手引きとして、データガバナンスの仕組みなどを解説しています。
それによると、まず、「自社の資産であるデータを戦略的に活用することで、ビジネス価値を最大化し、リスクを最小化する取り組み」がデータガバナンスであり、組織の価値・信頼を高めるものだとされています。データガバナンスが注目されるようになった背景としては、社会全体がデータ駆動型になったことに加え、グローバル化やAI技術の進展により、データの扱い方が多様になっていることが挙げられています。
また、データガバナンスの確立は、組織の信頼性、セキュリティ、規制遵守、透明性、相互運用性を支える基盤であり、不足すればサプライチェーン全体の競争力が低下することもあると見られています。例えば、「セキュリティとプライバシー保護」という観点では、ガバナンスが不足すると、管理体制が脆弱になりサイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクが増加し、高額の賠償や社会的信用の失墜といった甚大な被害をもたらすと記されています。
さらに、データガバナンスの実現には、ガバナンスの計画や方向性などを整理した「戦略」、データ取り扱いの「ルール」、データの運用に使用する「ツール」などの要素を管理するとともに、それらを適用する「業務プロセス」や「人材・体制」についても考える必要があるとしました。データガバナンスの基本は可視化であり、誰にとっても共通の理解ができる仕組みにすることが重要だと述べています。