データマネジメントを積極的に推進する企業5社にインタビュー、「データマネジメントに関する調査考察」を公表 IPA
情報処理推進機構(IPA)はこのほど、「データマネジメントに関する調査考察」を公表しました。
本調査は、DXや全社的なデータマネジメント推進に積極的に取り組んでいると考えられる企業5社(※1)のデータマネジメント担当者にインタビューを行う形で実施されました。インタビュー項目は▽データマネジメントの取り組み状況▽データマネジメントを推進する人材の育成・確保方法です。
※1:日本電気株式会社、損害保険ジャパン株式会社、武田薬品工業株式会社、三井物産株式会社、旭化成株式会社
それによると、データマネジメントの取り組み状況については、インタビュー企業の傾向として、データマネジメント・利活用を部門単位で推進しつつ、将来的には全社横断で取り組み、会社全体でのビジネス価値向上を見据えている企業が多い傾向にあると考えられています。例えば旭化成株式会社では、経営・現場双方の課題やニーズに応える形でデータ利活用の共通基盤を導入し、その基盤を通じた部門単位での業務改善・高度化に取り組んでいることがわかりました。各部門においてデータの所在がシステム、紙、Excelと散在しており、利活用のためのデータ取得に膨大なコストがかかっていたことへの問題意識が取り組みの背景となっており、具体的には、部門横断でデータ管理ができるMicrosoft Azureを用いた基盤「DEEP」を構築し、2022年より稼働していると記されています。
データマネジメントを推進する人材については、ビジネスの知見・スキルを持つ人材とテクノロジーの知見・スキルを持つ人材の双方が不足する部分を補い合いながら、ビジネスとテクノロジーの橋渡し役を育成・確保することが重要だと述べています。そして、「データドリブン経営」の重要性を改めて打ち出し、データマネジメントを推進する人材の巻き込み方を工夫することを課題として挙げました。例えば武田薬品工業株式会社の人材育成・確保の取り組みとしては、データを利活用する立場であるビジネスサイドの感覚と、データを構築・整備する立場であるテクノロジーサイド双方の感覚を持つことを重要視し、社内のリスキングプログラムを整備していることがわかっています。育成では、データに関する理論を学ぶ座学と、所属部署を離れデータ・デジタル&テクノロジー部で実際に業務にあたる実践とを組み合わせて提供していると記されました。