経済産業省は1月18日、「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示FAQ(制度編)」を公表しました。企業が「一体的開示」に取り組みやすくなることを目的としています。また同日、日本公認会計士協会は「一体開示」を行う場合の監査報告書の文例(公開草案)を公表しました。協会会員向けに留意事項を取りまとめ、公開草案として広く意見を求めています。
「一体開示」とは、会社法(事業報告等)と金融商品取引法(有価証券報告書)の要請を満たす1つの書類を作成し、株主総会前に開示することです。他方、「一体的開示」は、「一体開示」に加え、事業報告等と有価証券報告書の記載内容を可能な範囲で共通化し、別々の書類として作成・開示することを含んだ方法です。企業が「一体的開示」に取り組むことで、企業と投資家の対話を促進させる狙いがあります。
「一体的開示」の記載例としては、内閣官房と金融庁、法務省、経済産業省によって策定された「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組の支援について」が2018年12月に公表されています。その後も経済産業省は監査法人や関係機関等と意見交換を実施し、問い合わせの多かった事項について、「一体的開示FAQ(制度編)」として取りまとめました。
同文書は「一体的開示」の制度全般に関する「一体的開示と一体開示に関するFAQ」と、「一体開示」を実施する場合に関する「一体開示に関するFAQ」の2つから構成されています。