適性評価(セキュリティ・クリアランス)の対象者向けにQ&A、適合事業者向けにガイドラインを公開 内閣府
重要経済安保情報保護・活用法(※)が5月16日に施行されました。同法はいわゆる「セキュリティ・クリアランス」に相当する適性評価の導入を規定しており、この制度も同日から運用が開始されました。内閣府ではガイドラインおよびQ&Aを作成するとともに、行政機関が定める重要経済安保情報保護規定や通報・相談窓口などもWebサイトに掲載しています。
ガイドラインは、政府として講ずべき措置や遵守すべき事項を規定し統一的な運用を図るための基準、すなわち運用基準の内容を補足するものとして策定されました。行政機関編と適合事業者編の2編が公開されています(それぞれ第1版)。
適合事業者編では、まず適合事業者として認定されるための要件や手続きについて解説しています。認定を受けるためには行政機関が定める基準に適合し、必要な申請書類や手続きを経る必要があります。
適合事業者の認定とともに、重要経済安保情報を取り扱う従業者については別途、「適性評価」が義務づけられています。適性評価とはいわゆるセキュリティ・クリアランスのことであり、機密情報の取扱者を政府が確認する制度となります。確認する内容(調査項目)は重要経済安保情報保護・活用法で定められ、例えば犯罪歴や薬物乱用、精神疾患、飲酒節度といった7項目です。適性評価の流れや必要な書類、評価基準などを明記しています。
ガイドラインではこのほか、重要経済安保情報の保護措置・管理方法や、事後の対応、契約の終了および解除に関するルールなどが定められています。
適性評価を受ける従業者を対象に、「適性評価に関するQ&A(第1版)」が公開されています。適性評価が実施される目的や実施主体、評価の流れおよび調査事項について具体的に解説されています。
例えば、適性評価は個人が申し込める制度ではなく所属する行政機関や適合事業者が必要と判断した場合に限り調査票を受け取る仕組みであることや、適性が認められ同一の行政機関から提供される重要経済安保情報の取り扱い業務に従事する場合、適性評価の再実施までの期間は10年間であることなどが明記されています。また、適性評価調査実施担当者が、評価対象者が記入した質問票を上司や関係者に開示することはないなどとプライバシー保護についても説明しています。
※重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律