「英文開示実践ハンドブック」を公表、機械翻訳や外注に関するノウハウも紹介 東証
掲載:2022年10月14日
リスクマネジメント速報
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東京証券取引所(東証)は9月22日、上場企業の英文開示を促進する目的で「英文開示実践ハンドブック」を公表しました。英文開示資料を作成するための手順や翻訳の外注、機械翻訳の活用法に関するノウハウを掲載しています。
英文開示に関しては、英文資料の品質や日程の確保など複数の制約条件があり、翻訳会社および機械翻訳の活用を含むノウハウを積み上げる必要があります。一方、こうしたノウハウが企業間で共有される機会は乏しく、ノウハウ不足が課題となっていました。また、誤訳による訴訟リスクや情報漏洩リスクなどにも留意が必要となりますが、対応が不十分なケースもみられます。
ハンドブックでは、リーガルリスクなど留意すべき事項とともにノウハウがまとめられています。構成は「英文開示実施に向けた計画の立案」「英文資料作成のポイント1(翻訳を外注する場合)」「同ポイント2(機械翻訳を利用する場合)」という3章立てで、英文開示に関する計画の立案から英文資料作成のプロセス、効率的に英文開示を行うための機械翻訳の活用法までを解説しています。
政府と東証が定めたコーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場上場企業に「グローバル投資家との建設的な対話」の基礎となる英文開示を求めています。東証による2022年7月時点での調査では、プライム上場企業の英文開示実施率は9割を超えて増加しているものの、資料によっては開示率が3割未満となりました。