炭素中立・循環経済・自然再興の同時達成に向けて、「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を公表 環境省
掲載:2023年07月06日
リスクマネジメント速報
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環境省はこのほど、公式サイトに令和5年版の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を公表しました。白書では、温室効果ガス排出量の実質ゼロ(炭素中立)▽リサイクルやリユースなどの循環経済▽生物多様性の損失を止めて回復軌道に乗せること(自然再興)――の3つを同時に達成させることが、環境、経済、社会を統合的に向上させることになるとし、そのために「地域循環共生圏」の構築やGX(グリーントランスフォーメーション)などの取り組みを加速させる必要があると記しています。
白書では生物多様性の保全は気候変動と密接な関係があるとしています。相互関係について地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)や人間にとって不可欠な社会的ニーズに関する最低限の基準の充足度を示した社会の境界(ソーシャル・バウンダリー)といった研究を取り上げ解説しています。プラネタリー・バウンダリーとソーシャル・バウンダリーはドーナツ型の図で表すことができ、広い円がプラネタリー・バウンダリー、狭い円がソーシャル・バウンダリーとなります。研究では「ドーナツ内での生活」に収まる場合、「ウェルビーイングに焦点を当てた経済が繁栄することができる」とされています。白書ではドーナツ内での生活を送れるよう、炭素中立・循環経済・自然再興の同時達成を実現させることが必要だとし、それぞれの取り組みについて紹介しています。