経済安全保障/地政学リスクマネジメント支援サービス
近年、欧州、米国、中国、中東、東南アジアなどで国・地域間の緊張感が以前にも増して高まっています。背景には、政治・経済・社会・技術・法規制といった古くから根深い様々な要因がありますが、昨今はこれらに加えて、企業または国家レベルでの重要物資や基幹インフラの安定的確保の問題、重要技術や機密情報問題、エネルギー問題、気候変動リスクなどが拍車をかけています。
こうした世界情勢によって発生するリスクは「経済安全保障リスク」や「地政学リスク」などと呼ばれますが、企業はこれを座視しているわけにはいきません。経済のグローバリゼーションが進んだ昨今、企業にとっても経済安全保障リスクや地政学リスクが思わぬ落とし穴になる可能性があるからです。一例として、サプライチェーンへの影響が考えられます。米中のハイテク覇権争いをきっかけとした中国製品の排除の動きや、新疆ウイグル自治区での人権問題のクローズアップで、輸出入に規制がかかるなど、既に日本国内企業のサプライチェーンを脅かす事例は数多く発生しています。ロシアによるウクライナ侵攻に加え、イランとその核武装に警戒心を強めるイスラエルとの緊張の高まりは、原油価格の不確実性を大きくしています。また、エネルギー政策の面で米国やロシアへの依存度を減らしたいEUも必ずしも一枚岩とは言えず、第二・第三のブレグジット(イギリスのEU離脱)が懸念され、EUの内部崩壊リスクもゼロではありません。中国による台湾侵攻の懸念の声も上がっています。
経済安全保障リスクや地政学リスクが高まるなか、企業はどのように対処していけば良いのでしょうか。本サービスでは、経済安全保障リスクや地政学リスクが自組織にもたらす影響を評価し、課題を特定して対応策を導き出す「経済安全保障/地政学リスクマネジメント」の一連の流れを支援します。また、ご要望に応じて経済安全保障/地政学リスクマネジメントを全社的リスクマネジメント(ERM)の活動に融合させるご支援も可能です。
サービスの特長
- 1. 分析手法をカスタマイズし、お客様に最適なソリューションを提供します
- 経済安全保障/地政学リスクマネジメントにおいては、丁寧な分析を重視するか、あるいは迅速な検証を重視するのか、特定のリスクを対象とした分析に主眼を置くのか、あらゆるリスクを網羅的に検証するのかなど、多様なアプローチ手法があります。それぞれの手法のメリットをわかりやすく整理し、お客様の現在のニーズに応えるソリューションを提供します。
- 2. 関係者のスキル向上と意識変革を促します
- 経営層をはじめとする対応の鍵を握る関係者を適切なタイミングで巻き込み、ディスカッションをしながら分析・アウトプットを行います。この過程で組織としての危機意識の醸成、関係者の思考力や対応スキルの向上を図ることができます。
- 3. リスク特定のみならず、リスク対応策に関する助言や実践のためのサポートも可能です
- 経済安全保障/地政学リスクを特定できたとしても、その後の対応が伴わなければ「リスクマネジメント」とはいえません。特定されたリスクに対してどのような対応が望ましいのか、対応策についての助言や実践のためのサポートも可能です。
- 4. ご要望があれば一過性の取り組みではなくERMと統合した継続的な活動に昇華させます
- 経済安全保障/地政学リスクは時間の経過とともに変化しますし、年が変われば新たなリスクが出てくることも当たり前です。その意味においては、一回検討すれば終わりというものではなく、組織として継続的に検証することが望ましいものです。ご要望があれば、経済安全保障/地政学リスクマネジメントをお客様のERM活動の中にうまく取り込み、継続的な活動に昇華させるお手伝いをいたします。
- 5. 支援の内容・ボリュームに関して、お客様のニーズに合わせたオーダーメイドが可能です
- 支援の内容やボリュームについては、お客様のニーズに合わせたオーダーメイドが可能です。例えば、分析重視型のアプローチでも「あまり時間をかけずに軽めの分析をしたい」、「しっかりと関係者を段階的に巻き込めるよう、ステップを10回くらいに分けて丁寧に進めたい」、あるいは「できるだけ自分達でやるので、側に立って横から支援してほしい」など、お客様のニーズや状況に合わせて最適なご提案をいたします。
このようなお客様におすすめします
経済安全保障/地政学リスクによって影響を受ける可能性のあるお客様におすすめのサービスです。中でも下記に該当するお客様に推奨します。
- グローバル企業である
→海外に複数の拠点を持っている
→海外で研究開発・生産・販売を行っている - サプライチェーンが国内で完結していない
→海外拠点が機能不全に陥ると主要事業が停止する
→サプライチェーンリスクに一通り手は打ったものの不安である - 国の基幹インフラや重要物資、先端的な重要技術に関わる事業に従事している
支援範囲と作業ステップ(例)
本サービスには「シナリオプランニング」と「ブラックスワンワークショップ」の2種類の進め方があります。
①シナリオプランニング
中長期的な未来に対して、影響の大きい不確定要素を軸にいくつかのシナリオに落とし込み、シナリオを基に戦略や計画の評価を行う進め方
②ブラックスワンワークショップ
想定外の事象が起きた場合に自社の戦略や計画、リスク対応等にどう影響が出るかを評価する進め方
それぞれについて、具体的なステップは下図の通りです。
主な成果物(例)
シナリオプランニング
- ベースシナリオ
- 詳細シナリオ
- リスク評価結果及び課題、課題対応方針
ブラックスワンワークショップ
- 危機シミュレーション訓練テキストまたは事業影響度分析結果・経営資源分析結果
- 事業継続リスク及び課題、課題対応方針
事例