2023年の年平均気温は史上最高で温室効果ガスの世界平均濃度も上昇、「気候変動監視レポート2023」を公表 気象庁
掲載:2024年03月29日
リスクマネジメント速報
目次
気象庁は3月22日、日本と世界の大気・海洋などに関する年次報告書「気候変動監視レポート2023」を公表しました。それによると、2023年は記録的な高温となった1年であり、世界および日本の年平均気温がともに、統計開始以降で最も高い値となりました。同レポートは巻頭のトピックスと「2023年の気候」および「気候変動」の2章で構成されています。
2023年の世界の年平均気温偏差は1891年の統計開始以降、最も高い値となり、世界の年平均気温は100年あたり0.76℃の割合で上昇しました(昨年は0.74℃の割合)。国内では、春から秋にかけて気温の高い状態が続き、低温は一時的でした。そのため2023年は1946年の統計開始以降、北・東日本では年平均気温が1位の高温、西日本では1位タイの高温となりました。
一方、台風については発生数が17個と平年より少なくなりました。平年値は25.1個であり、特に9月以降の発生数が5個(平年値11.6個)と1951年の統計開始以降、最少となりました。台風の上陸数も1個(=台風第7号、平年値は3.0個)でした。
気象庁では温室効果ガスの変動を把握するため、温室効果ガスの観測を行うとともに、世界各国の温室効果ガスのデータを収集・管理しています。そのデータによると、2022年の温室効果ガスの世界平均濃度は増加しました。具体的には、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の世界平均濃度はいずれも長期的に増加、昨年11月には気象庁がこれら主要温室効果ガスはいずれも観測史上最高を更新したと発表しています。
統計結果の詳細は気象庁のホームページに掲載されています。
おすすめ記事
- カーボンニュートラル
- ESG
- 「ESGリスクに関わるガイダンス」をERMに適用するには
- コージェネレーション
- TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
- 企業におけるESGリスク対応の現状と課題
- 民間企業の方のための気候変動適応ガイド
- 航空のカーボンニュートラルを目指し、航空脱炭素化推進基本方針を策定 国交省
- 「民間企業の気候変動適応ガイド」を3年ぶりに改訂 環境省
- 第6次評価報告書「気候変動2022:気候変動の緩和」を公表 IPCC第3作業部会
- 再生可能エネルギーが増加するも二酸化炭素排出量が8年ぶりに増加、令和3年度の総合エネルギー統計速報を公表 資源エネルギー庁
- 地球温暖化対策計画案の修正案を公表、各部門における2030年度の排出量目安を記載 環境省・経産省
- 年次報告書「気候変動監視レポート2022」を公表 気象庁
- 気候変動の影響を感じるのは「夏の暑さ」、気候変動に関する世論調査の結果を公表 内閣府
- 省エネルギー政策の観点から特に意義の大きい技術を明記、「省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024」を公表 経産省・NEDO
- 2024~2030年が対象、「第6次環境基本計画」を閣議決定 政府
- 電力需要が増加するとの想定を紹介、エネルギー白書2024を公表 経産省/資源エネルギー庁
- 気候変動
- 今夏の平均気温(全国)は昨年に並んで最も高く、7月単月では過去最高 気象庁