政府はこのほど、「国土強靱化年次計画2025」と「第1次国土強靱化実施中期計画」を決定し公表しました。
「国土強靱化年次計画2025」では、国土強靱化の取り組みを効果的に展開するには基本計画で定められた35の施策グループの管理が重要だとしたうえで、これを充実・強化するための事項として(1)国土強靱化政策の展開方向、(2)5か年加速化対策の推進、(3)地域強靱化の推進、(4)官民連携の促進と「民」主導の取り組みの活性化、(5)世界の強靱化の主導等国際貢献の推進、という5つを示しました。例えば(2)に関しては、最終年度となる令和7年度までに累計約15.6兆円が確保されており、123対策(161施策)は9割以上の施策が「目標達成の見込み」または「課題対応次第で達成可能」の状況だとしています。こうした対策推進により一定の効果が表れている一方、新たな課題も認識されており、▽気候変動を背景に激甚化・頻発化する豪雨災害への備えの強化▽切迫性が高まる首都直下地震・南海トラフ巨大地震対策の推進▽インフラ老朽化への対応などを今後の課題として挙げました。
「第1次国土強靱化実施中期計画」では、▽災害外力・耐力の変化への対応▽人口減少等社会状況の変化への対応▽事業実施環境の変化への対応が基本的な考え方だとされました。令和8年度から令和12年度までの5年間で実施すべき施策の主な内容としては、(1)防災インフラの整備・管理、(2)ライフラインの強靱化▽デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化、(3)官民連携の強化(4)地域防災力の一層の強化、の4点を挙げており、特に推進が必要となる施策については第4章で詳述されています。例えば(1)については、中小河川も含めた洪水・内水ハザードマップなど水災害リスク情報の充実や、障がい者・高齢者・子ども・外国人などに配慮した災害情報提供の強化などを、(2)については予防保全型メンテナンスへの早期転換、陸海空の交通ネットワークの連携強化などを推進すると記されました。