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BCP関連資格と取得方法

掲載:2013年11月06日

コラム

国内で認められている5つの組織(BCI、IRCA、DRII、BCAO、RMCA)が提供するBCP関連資格をご紹介します。このうち国際的に認められている資格制度はBCI、IRCA、DRIIの3つ、国内のみで認められているものはBCAOとRMCAの2つです。

         

BCI

BCI(The Business Continuity Institute)は事業継続に関する様々な情報や教育を提供している機関で、2013年11月現在、世界中で100を超える国に8000名以上の会員がいます。BCIは以下の5つのレベルに分けられた資格を認定しています。BCIの認定資格試験により取得可能なレベルはCBCIのみで、他の4つは、CBCI取得後に、既定年数の実務経験や他会員からの推薦をもって申請します。これらは「プロフェッショナル会員」と呼ばれています。
 

資格レベル

資格 正式名称 取得(申請)条件
CBCI Certificated by the Business Continuity Institute BCI認定資格試験に合格(500点満点中380点以上獲得)していること
AMBCI Associate Member of the Business Continuity Institute BCI認定資格試験に合格しており、かつ1年以上常勤としてBCM実務を経験していること
SBCI Specialist Member of the Business Continuity Institute BCI認定資格試験に合格しており、かつ2年以上常勤としてBCM実務を経験、またはBCM関連分野での経験を有していること
MBCI Member of the Business Continuity Institute BCI認定資格試験において425点以上で合格し”Pass with Merit”を取得、さらに3年以上の常勤でのBCM実務家としての経験を有していること
※MBCIの申請者は経験と知識を評定委員による評定にかけられます
FBCI Fellowship of the Business Continuity Institute 上級責任者としての実務経験が3年以上あり、2名以上の正規会員からの推薦を受けた、BCIに多大な貢献をした会員であること
※申請後に2つの審査プロセスを経て取得することができます

IRCA

登録資格

登録のためにはIRCA認定(あるいは同機関が同等と認める)トレーニングコースを合格終了しなければなりません。また、上図のように実務経験や審査経験を必要とするレベルもあります。また、登録申請書内の「申請分野の認識」、「実務経験」のセクションで、知識と力量を実証する必要がありますが、IRCAはBCI認定試験(CBCI)の合格を証拠として容認しているので、まだCBCIを受験されていない方は、そちらを先に受験する方が良いでしょう。
 

登録の申請方法

まずIRCAが認めた研修機関で実施しているIRCA認定トレーニングコースを受講し、合格します。トレーニングコースの日程は研修機関により異なるため、研修機関に直接問い合わせる必要があります。以下のリンク先で、国名とコース名を選択することで検索することができます。

IRCA認定トレーニングコースの検索

初めて申請する方は、トレーニングコース合格終了後にhttp://www.irca.org/ja/にて申請書を入手して必要事項を記入し、申請費の振込通知フォームと証拠書類とともにEメールか郵送でIRCAジャパンに送付してください。その後、年間登録費を支払うことでIRCA認証審査員として登録されます。

IRCA審査員/監査員認証要求事項

IRCAが認定する審査員トレーニングコースの内容は資格レベルにより異なります。

トレーニングコース詳細

DRII

Disaster Recovery Institute International (DRII)は事業継続マネジメントの実務に携わる方のための教育と認定プログラムを提供している機関です。それぞれの資格取得により、レベルに応じたプロフェッショナルとしての適性を証明されます(合格後にDRIIへの申請が必要)。
 

資格レベル

 
資格 業界での経験 プロフェッショナルプラクティスのレベル
ABCP 2年以上 入門レベル
CBCV 2年以上 知識の証明(現在日本国内にコース無し)
CFCP 2年以上 3分野での実践的経験の証明
CBCP 2年以上 5分野での実戦的経験の証明
MBCP 5年以上 7分野での実戦的経験の証明
 

申し込み方法

現在(2013年11月1日)ABCP、CFCP、CBCPは日本語で申請でき、CFCP、CBCPは日本での認定委員会による承認が必要になります。また、CBCVとMBCPは英語での申請が必要になるので注意が必要です。試験の場所や日程など、詳細についてはDRIジャパンのHPをご覧ください。
 

受験形式

DRIIではBCMを開発・維持・監査するための「プロフェッショナル プラクティス」と呼ばれる知識体系の習得を資格取得の条件としています。試験は選択式問題100問で構成されています。
 

受験対策

受験対策としては、同機関が実施している研修コースがありますので、不安のある方はこの研修コースを受講してください(前項の試験は研修コースの最終日に行われます)。研修コースの詳細な日程については下記のリンク先をご覧ください。
研修コースの詳細な日程

BCAOの事業継続管理者資格

NPO法人 事業継続推進機構(BCAO)は、BCP/BCMの普及啓発、研究および調査を目的として設立された民間の非営利団体です。事業継続にかかわる3つの資格を発行しており、講習を受講し、受講後にテストに合格すれば取得できます (講習の受講が受験資格となっています)。会員にならないと試験に合格しても認定されませんが、会員登録は合格後にできるので、必ずしも試験当日までに会員登録を終えている必要はありません。
 

資格レベル

資格 認定内容
事業継続初級管理者 事業継続において必要とされる基礎知識を身に付けている
事業継続准主任管理者 自社で事業継続の構築するための知識、担当者としての役割を理解している
事業継続主任管理者 事業継続実務に必要な基本的知識を身につけた「事業継続准主任管理者」または、「事業継続初級管理者取得者」が、自社内で事業継続の構築実務を行える知識を習得している
 

受験資格

「事業継続准主任管理者」資格を取得するためには「事業継続初級管理者」の取得が条件となっているため、まず「事業継続初級管理者」試験に合格する必要があります。また試験に先駆けて2日間の講習があり、この受講が受験資格の一部となっています。
「事業継続主任管理者」資格を取得するためには「事業継続初級管理者」または「事業継続准主任管理者」の取得が条件となっています。また、「事業継続主任管理者」の試験結果(点数)によって、「事業継続主任管理者」または「事業継続准主任管理者」の資格が得られます。また試験に先駆けて5日間の講習があり、この受講が受験資格の一部となっています。
 

申し込み方法

各試験とも2013年度の募集は終了しています。2014年度以降の詳細日程と申し込み方法は下記のHP上に公開されます。 詳細日程と申し込み方法
 

受験形式

「事業継続初級管理者」及び「事業継続准主任管理者」試験は選択問題と記述問題、「事業継続主任管理者」では更に論文形式の問題の試験で合否を決定します。
 

受験対策

「事業継続初級管理者」では、期限までに受験料を支払うと、学習用資料の掲載されたURLとパスワードが得られ、その中から試験問題が出題されます。
「事業継続准主任管理者」と「事業継続主任管理者」試験は、受験前の講習(それぞれ2日間、5日間)が試験対策となっています。
 

RMCAのBCM-RM試験

Risk Managers And Consultants Association of Japan (RMCA)はリスクマネジメントに関する人材育成、指導、情報提供等をしています。また本研修コースはBCI Good Practice Guidelineに基づいた内容であるため、CBCI受験予定の方が受講されるケースもあるようです。
 

資格レベル

資格 概要
BCM-RM ISO22301に基づく審査員資格取得を目指している方のための基礎コースとして有効であり、BCMSを構築するために必要とされる基本知識習得をテストする。
 

受験資格

受験資格を得るためには、受験までに同協会認定「BCM-RM」研修コースを修了している必要があります。
 

申し込み方法

試験や研修コースの申し込みは同機関のHPから行え、こちらで詳細な場所と日程も確認することができます。
 

受験形式

試験は選択問題と1問の記述式問題から構成されており、合格基準70%以上の正答率とされています。当試験に合格するとRMCAの発行する事業継続経営リスクマネジャー (RMCA)の資格を得られ、リスク管理の基礎知識とBCMの理論を備えた、事業継続経営の実務者であるとみなされます。
 

受験対策

前述した受験資格となっている同協会認定の「BCM-RM」研修コースが試験の範囲をそのままカバーしており、受験対策になっています。

オススメはCBCI

ここまで資格認定機関とそれらが発行する資格をご紹介させていただきました。その中でもお勧めなのはBCIのCBCI試験です。当試験対策に使うGood Practice Guidelines (GPG)に記載されている内容は、日本における認証制度実証運用基準のベースとなったものです。また、JIPDEC推進の第三者認証制度においても、CBCIの取得が審査員の資格要件に含まれています。加えて、いくつかの試験ではCBCIの取得をもって資格申請に必要な力量の証明となっていますし、資格試験そのものがGPGに沿った内容となっているものもあります。つまり、CBCIの取得を目指してGPGを勉強することで、他の資格取得にもつながるというメリットがあります。

資格取得をお考えの方は、現在のご自身の資格取得状況や予定を踏まえた上で、どの資格を受験するかご検討されてはいかがでしょうか。
 
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