東京都はこのほど、「東京防災アクションプラン改定素案」を公表し、意見募集を開始しました。募集期間は2025年2月14日~同年3月16日です。
東京都の地域防災計画では、「2030年度までに、首都直下地震等による人的・物的被害をおおむね半減させる」という減災目標が定められています。都が策定する「東京都防災アクションプラン」は、この減災目標の達成などに向けて、防災対策を計画的に推進するための事業計画です。
公表された素案は、「都市の強靭化」と「災害対処能力の向上」を柱に、さまざまな計画案を記しています。「都市の強靭化」の具体策としては、不燃化の取組や液状化対策、通信設備の強化などが挙げられています。「災害対処能力の向上」に関しては、自助・共助の底上げによる地域防災力の強化、要配慮者の視点に配慮した防災対策、防災DXの推進、防災資機材の整備などが挙げられています。
また、災害ごとのアクションプランの素案も一覧できるようになっています。具体的には、地震・風水害・火山噴火に対して、それぞれの発災時に懸念されるシナリオが描写されています。そのシナリオをもとに想定されるリスクが洗い出されており、各リスクに対応するために「行うべき取組」を整理しています。その上で、項目ごとに目指すべき将来像をまとめ、自助・共助・公助の観点から将来像を実現するために準備すべきことを記しています。
例えば、地震対策のアクションプランでは、自宅から避難所への避難▽マンションでの在宅避難▽帰宅困難者をとりまく状況▽島しょ地域における地震・津波の発生という4つの状況別にシナリオを掲載。その上で、シナリオから導き出されるリスクが多数洗い出されています(建物の倒壊、救助活動の困難、物資不足など)。また、各リスクに対応するために「行うべき取組」として、「建物の耐震化、更新等」「住民による救出活動の展開」「出火・延焼の抑制」「安全で迅速な避難の実現」など合計11個が挙げられています。そして、これら11個に対して将来像を示し、家庭や地域、都が備えるべき事項をまとめています。
都は、改定素案に寄せられた意見をふまえて、2025年度末をめどに計画を改定する予定です。