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BCPここが「鍵」 チャプター4【大塚商会寄稿コラム】

掲載:2014年04月01日

執筆者:代表取締役社長 副島 一也

コラム

BCP(事業継続計画)に役立つ情報をコラムでご紹介します。第9回~第11回は「BCPと強い会社」、「家族を守ること」、「備蓄」に関する情報です。よろしければご覧ください。

         

第9回 強い企業文化を育む力強いツール

BCPを策定する多くの中小企業に共通する特徴は、「強い企業」であると実感しています。いざという時のために備える余裕のある企業、目の前の売り上げだけでなく、社員の命を守る対策をきちんと取ろうとする企業だから当然のことかもしれません。こうした企業は、BCPを策定することで、顧客に対する信用力が高まるという効果も出て、ますます強い企業になっていきます。こうして、危機に対する備えなどやっている場合ではないと考える企業との差はますます開いていくわけです。

先日、弊社では東北大学様に協力する形で、中小企業でBCPを策定している企業100社の分析・調査を行いました。そこで、実際の企業の回答から出てきたBCPが定着する企業の共通要素は「情報共有がよくなされている」、「社内が活性化した」、「BCP責任者の力量が高い」という点でした。

これらは、変化の激しい現代社会において企業が生き残るための要素ともなります。BCPに取り組み、継続することは、強い会社としての企業文化を育む力強いツールとなると言えそうです。

[2014年 4月 1日公開]

第10回 危機に負けない家族継続計画の勧め

連休の真っただ中ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?連休中はご家族でご旅行をされる方も多いかと思います。今日は大切なご家族を守る危機管理のお話をしたいと思います。先日韓国船沈没の痛ましい事故が起きました。船舶運航側の責任が重大なことは言わずもがなですが、自ら適切に避難して身を守ることの重要性も感じざるをえません。いざという時、適切な動きができるよう備えたいものです。

家族での楽しい旅行中、例えば、トンネルの中での異常事態、列車の中での異常事態、海の近くでの地震など、どんな異常事態に遭遇するかわかりません。そんな時に意識しておきたいのが「人は驚くほど異常事態に対し鈍感である」。いわゆる、「正常性バイアス」という心の動きがあるということです。少しでも何かがあれば、すぐに適宜避難しましょう。

また、会社内だけでなく、家族も立派な組織です。意思決定をするリーダーは誰なのか、その人がいなければ代行順位はどうなっているのか、さらに、普段から危機発生時の我が家の取るべき行動・考え方の普及啓発活動。なんだか会社の仕事みたいですが、何より大切な家族を守る「家族継続計画」も忘れずに備えたいものです。

[2014年 5月 1日公開]

第11回 中小企業の備蓄はどこまでやるのか?

東京都では首都直下地震に備え、昨年より帰宅困難者対策条例を施行し、事業所に対し3日分の備蓄を努力義務としています。では、すべての中小企業までそうした備えを実現しているのでしょうか?答えは残念ながらイエスとは言えないようです。

お金がない、置いておくスペースがない、賞味期限が管理できないなど、さまざまな問題があります。しかしながら、中小企業でも「社員を守りたい」「会社を守りたい」という気持ちはもちろん強いです。ではどうすればよいのでしょうか?

一番悪い例としては、十分な備蓄はないし、取り急ぎ拡充する予定もない、にもかかわらずその実態を社員にも知らせていないことです。

今現在どこまでできているのか明らかにして、状況を理解してもらうようにしましょう。そうすれば、各個人でも必要な備えを考えることができます。個人で非常用の携帯電話バッテリーを持っていたり、会社にスニーカーを置いておく方も増えてきました。キャンディや水も各自のロッカーや机に少しずつ持つこともできます。

会社で何でもできればよいのですが、そうでないのであれば、みんなで知恵を出してできうる対策を進めていきたいものです。

[2014年 6月 2日公開]

大塚商会ウェブサイトより転載)

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