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BCPここが「鍵」 チャプター3【大塚商会寄稿コラム】

掲載:2014年01月06日

執筆者:代表取締役社長 副島 一也

コラム

BCP(事業継続計画)に役立つコラム。第6回~第8回は「マネジメントシステム」、「実行するための方法」、「事象に左右されない対応力」に関する情報です。よろしければご覧ください。

         

第6回 BCMSの出発点である「トップインタビュー」

マネジメントシステムの基本はトップの意思を反映した経営の仕組みにすることで、BCPやBCMSに取り組んでいくにあたってもそれは同様です。しかし、実際、BCPに取り組まれる組織の内、どのくらいの割合でトップマネジメントは関与しているのでしょうか?これは私見ですが、極めて低い割合ではないかと感じています。

我々のようなコンサルタントの立場からすると、構築の最終段階でトップの話を聞いたら、すべてがひっくり返るなどということは許されません。そのため、とにかく、最初の段階でトップインタビューを強くお願いしています。

トップインタビューでは、自組織の事業が止まったら何が起こるのか?どんな対策を取るべきと思われているのか?そうした思いを直接伺います。案外トップはインタビューされることに嫌悪感を抱かれる場合も多いものです。しかし、これはテストではなく、考えを共有させていただきたいときちんと説明することが重要なのです。そうすると、「本当のこと言ってもいい?」と、実に人間味あふれる、強く優しい話を始めていただけるのです。これまで多くの組織のトップインタビューを行ってきましたが、この最初の瞬間がわくわくする貴重な瞬間であり、組織のBCMSはこの瞬間から真の力を持ち始めると断言できます。

[2014年 1月 6日公開]

第7回 「日付を決める」組織は実行する

さまざまな組織のBCP活動をお手伝いさせていただいている中で、計画を実行する組織とそうでない組織の特徴を感じることがあります。その特徴の中で最たるものが「日付を決める」いう習慣です。演習を実施する計画を立てる時に「3月11日」と決める組織はまず間違いなくその日に実施されます。「3月中旬」と言われる組織では、少なくとも私の経験上、ほぼ実行されないと感じます。

我々が何かの計画を立てる際にも同じようなことが起きていると感じます。日付を決めるためには参加するキーマンを特定し、その予定を確認し、予定をおさえます。参加者全員に連絡がされ、もう変更は容易ではありません。結果的にはすばやく 少ない工数で物事を確実に進めていけるのです。こうした実行する組織の特徴にうまく学びたいと思っています。

[2014年 2月 3日公開]

第8回 地震BCPが大雪で役に立つ

「地震対応のBCPは作ったのですが、それ以外のBCPはどうしたらよいのですか?」というご質問をよくいただきます。実は、あらゆる事象ごとにBCPを整備するのは現実的ではありません。むしろ結果事象に注目して対応方法を検討することによってBCPの対応能力が大いに向上すると言えます。

例えば、今年は関東全域で予期しない大雪に見舞われました。そんな中、やはり大雪の影響を受けたある企業では地震BCPを策定していましたが、実に適切に対応されています。起きた事象は、

  1. 人員が全員参集できない
  2. 倉庫の浸水
  3. 物流の寸断

などでした。ですが、これらの事象は地震BCPでも対策を立てていました。原因が何であれ、起きる事象や対応方法は共通することも多いものです。しかも、非常時の対策本部の対応も演習を繰り返していたため、対策本部メンバーが中心になり、手順書や連絡リストを基に迅速に対応され、大いに顧客の信頼を勝ち得ることができました。

被災想定にこだわりすぎず、対応能力を上げる目的を忘れずに備えることが重要です。

[2014年 3月 3日公開]

大塚商会ウェブサイトより転載)

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