厚生労働省は3月30日、外国人を雇用する企業向けに、人事や労務管理を支援するツールを作成し公開しました。労働や社会保険にまつわる用語について翻訳した用語集や、外国人に対して就業規則を分かりやすく伝えるための文例などを提示しています。
公開した支援ツールは以下の3つです。
(1)外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集~日本人社員、外国人社員ともに働きやすい職場をつくるために~
(2)雇用管理に役立つ多言語用語集
(3)モデル就業規則やさしい日本語版
(1)は、事業主や人事担当者が事前に理解すべきポイントと、実際に外国人労働者に見せるなどして理解を深めてもらうことを狙った例文などを紹介しています。(2)は、使用頻度の高い人事・労務に関する用語約420語について、定義や例文を検索できます。「やさしい日本語」と英語、韓国語、中国語(簡・繁)など9言語に対応しています。(3)は、就業規則を分かりやすく伝えるため、「やさしい日本語」を使って制作された就業規則の一例です。
「外国人雇用管理指針」が2019年4月に改正され、賃金や労働時間など主要な労働条件を、母国語など外国人労働者が理解できる方法で明示・説明することが事業主に求められました。厚生労働省では、日本の法制度や雇用慣行に詳しくない外国人労働者に対しても、「なぜ職場のルールがそうなっているのか」という理由や背景も含めて納得し、理解を深めてもらうことが重要だとしています。