観光事業者のBCP策定を支援するため、観光危機管理・事業継続力強化研究会は8月29日、「観光BCP作成ガイド」を公表しました。同研究会は観光業のBCP策定率や危機管理能力を向上させるために、日本商工会議所と日本観光振興協会によって2020年6月に設立されました。

公開された「観光BCP作成ガイド」は、観光事業者向けにBCP策定の手順を示したものです。BCPのひな型とともに検討のためのヒントが併記され、順を追って空欄を埋めていくことでBCPができあがる流れです。

ガイドは宿泊・観光施設・飲食・交通の大きく4つの事業に分けて作成されています。BCPの内容が各自の事業内容に合致するよう、飲食店と交通事業者ではさらに細分化されて作成され、飲食店向けでは企業向けと小規模企業・個人事業主向けの2つ、交通事業者向けではタクシー、国内船社、貸し切りバス、鉄道の4つに分けてガイドが用意されています。

ガイドで想定する危機は、自然災害のほかテロを含む人的災害・危機、食中毒や感染症を含む健康に関わる危機などで、オールハザード型BCPを策定できる内容です。また、事業分野ごとに記入例を示したPDF文書と事業中断による損失額を試算するための財務分析エクセルファイルも提供しています。

ガイドは日本商工会議所や日本観光振興協会の公式サイトから入手できます。ダウンロードにはアンケートへの回答が必要です。