短期的リスクでは「生活費の危機」が最上位、2023年版グローバルリスク報告書を公表 世界経済フォーラム
掲載:2023年01月24日
リスクマネジメント速報
目次
世界経済フォーラムは1月11日、2023年版のグローバルリスク報告書を公表しました。グローバルリスクを短期的(2年間)、長期的(10年間)、中期的(2030年まで)の3つの時間軸に分けて検討しました。
報告書には、「グローバルリスク認知調査(GRPS)」の結果を基にグローバルリスクをランク付けした「グローバルリスクの短期・長期的な重要度ランキング」を掲載。それによると、今後2年間で深刻となる上位10リスクは高い順に▽生活費の危機▽自然災害と異常気象▽地政学的な対立▽気候変動緩和策の失敗▽社会的結束の低下と社会の二極化▽大規模な環境破壊事象▽気候変動への適応(あるいは対応)の失敗▽サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下▽天然資源の危機▽大規模な非自発的移住――となりました。このうち、「サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下」と「大規模な非自発的移住」は新たにランクインしました。
次に今後10年間でのランキングでは、深刻度が高い順に▽気候変動緩和策の失敗▽気候変動への適応(あるいは対応)の失敗▽自然災害と異常気象▽生物多様性の喪失や生態系の崩壊▽大規模な非自発的移住▽天然資源の危機▽社会的結束の低下と社会の二極化▽サイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティの低下▽地政学的な対立▽大規模な環境破壊事象――となりました。上位10リスク中6つは環境リスクであり、「生物多様性の喪失や生態系の崩壊」(4位)が選ばれるとともに、短期的ランキングの1位(生活費の危機)を除いた2~10位のリスクが順位を変えてランクインしました。
中期的な視点では、ポリクライシス(※)のリスクについて予測しています。報告書ではこのほか、リスクに対する備えを考察するとともに、対策や投資について提言しています。
※ポリクライシス
異なるリスクが相互作用し、その影響が個々のリスクの総和よりもはるかに大きくなること。
おすすめ記事
- 2023年の重大リスクと企業がなすべきこと
- 2022年初に予測された重大リスクを振り返る
- ウクライナとロシア戦争後の不確実な未来に備えるには
- 「ESGリスクに関わるガイダンス」をERMに適用するには
- TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
- 企業におけるESGリスク対応の現状と課題
- 航空のカーボンニュートラルを目指し、航空脱炭素化推進基本方針を策定 国交省
- 再生可能エネルギーが増加するも二酸化炭素排出量が8年ぶりに増加、令和3年度の総合エネルギー統計速報を公表 資源エネルギー庁
- 2022年セキュリティ10大ニュースを発表、ウクライナ侵攻や経済安全保障の話題がランクイン JNSA
- 2022年版「グローバルリスク報告書」を公表 世界経済フォーラム