ISOの要求事項に合致しているかを気にする必要はありません。気にするべきは「本当に改善できるかどうか」です。今回は、ISOの活動を改善につなげる5つのポイントをご紹介します。
ISOの活動を、“本当の改善”につなげる5つのポイント
前回のコラムでは、なぜISOが邪魔モノになるのか、その原因となる三大極悪人の話をしました。さて、今回はそんな極悪人に惑わされず、自社のために純粋にISOの活動を改善活動にしていくポイントをご紹介します。
ここではISOの要求事項の解釈についてなどは全く触れません。なぜなら、そこは社長が興味を持つ必要はないからです。勉強したいという気持ちは分かりますが、社長が気にするべきは結果であり改善できるかどうかです。要求事項に合致しているかどうかを考えるのは外部審査員に任せましょう。
それでは進めていきます。
1.本当に必要な人員でやりましょう。
権限と力量のある責任者を全てメンバーに加えましょう。具体的には、各部門の責任者の部長さんや役員の人たちです。次にその人達が2.以下に列挙することを実施していくのに本当に必要を思う現場の担当者を任命しましょう。ここで、誰を任命するかで成功するかどうかがほぼ決まります。
2.本当の課題を洗い出しましょう。
さて、会社を動かすのに必要なメンバーがそろったところで、現状のISO運用の本当の課題を洗い出しましょう。たぶん品質管理にしても、情報セキュリティ管理にしても、ISOの中で掲げていることとは違う、会社が本当に目指したいことがあったり、現場の実態に合わず機能していなかったり、ということがたくさんあるはずです。
3.使っていないルールや文書を一切捨てましょう。
上記で洗い出した課題で、誰も守っていないルールや、過去1年間誰も使っていない文書などはないでしょうか? あれば捨てましょう。
4.当事者でルールを作りましょう。
本当に必要なルールは何なのか? 責任者や現場担当者がいるのですから、自らルールを決めて、「守らないルールは作らない」「決めたルールは必ず守る」と宣言して適用しましょう。
5.最小限の文書で壁に貼りましょう。
決めたルールを文書化するにあたり、見た人が分かればよいわけですから、素晴らしい文章を目指した作文作りに時間を費やすのはやめましょう。また、できるだけ、しまい込む文書ではなく、壁に貼り出す文書にして、みんながいつも見えるようにしましょう。
そう、ここまで話をしましたが、これは単に自社の課題に対する業務改善活動です。ただ、これではISOの認証が維持できないのではないかと不安があるかもしれません。そのあたりは、次回のコラムにてお話ししたいと思います。
(大塚商会ウェブサイトより転載)