日本赤十字社(以下、日赤)はこのほど、「防災の日に関する意識調査(2024年)」の結果を公表しました。調査は8月6~12日に実施、北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡に居住する男女1,200名から回答を得ました。能登半島地震において、日赤が救護班の派遣などを通じて被災地支援に取り組んできたことや、都市部を含む広域が被災することが予想される南海トラフ地震で自助・共助の重要性が高まっていることを受け、意識調査を実施しました。
調査では、「都市の中で災害に遭うかもしれないと考える機会」について尋ねています。回答した割合が高い順に、「半年に1回くらいの頻度」(26.3%)、「もっと少ない頻度」(22.8%)、「考えることはない」(15.6%)となり、これらをあわせると64.7%で、災害に遭うことを意識することが少ない人が半数を超えました。
過去に緊急地震速報や避難指示などが出された際については、78.4%の人が「避難したことがない」状況であることがわかりました。2023年に行われた調査での同様の質問では、「避難したことがない」人が78.1%、「避難したことがある」人が10.3%で、1年前とほぼ変わらない結果となっています。
また、自助の取り組みとして「防災備蓄しているもの」を聞くと、「飲料水」(61.6%)、「食品」(50.8%)、「懐中電灯・ランタンなど簡易照明」(41.9%)が上位に挙がったものの、それ以外の項目(現金、携帯ラジオなどの情報源など)はほとんどが3割を下回ったとされています。
共助の意識については、「都市で災害が発生した際に周囲の人と協力し合える(必ずやる+たぶんやる)」と回答した人があわせて68.7%でした。周囲との協力を「やらない(たぶんやらない+全くやらない)」と答えた人の理由としては、「自分や家族のことで精いっぱいになるから」(41.2%)、「どのように助け合ったり協力したりすればいいかわからないから」(17.8%)などが挙げられています。
この調査結果を踏まえ日赤は、「防災・減災の取り組みどちらにおいても万全な状態には見受けられない」と指摘。自助・共助を想定した訓練と防災・減災に関する啓発活動を今後も継続するとし、いざという時に具体的な行動に移せるための備えを強化していきたいと記しています。