在宅避難や車中泊など避難所以外に避難する人の状況を把握したり、そうした避難者を支援したりする方策について検討してきた内閣府の検討会(避難生活の環境変化に対応した支援の実施に関する検討会)は5月20日、8回目の会合を開きとりまとめ案を公表しました。
障害や家族の事情、プライバシーの確保などから避難所へ避難せずに、自宅や車などで避難生活を送る被災者が増加しています。一方で、そうした在宅避難者向けの自治体による支援は乏しく、自宅など避難所ではないところで災害関連死が多く発生しているという課題がありました。検討会ではこうした課題の解消に向けて昨年8月から会合を開き、議論を重ねてきました。とりまとめ案では避難所以外の避難者の支援について基本的な考え方を整理した上で、支援の枠組みや避難者などの状況把握、そうした避難者たちを対象とする支援拠点および支援実施、平時からの取り組みなどについて提言しています。
基本的な考え方としては、次の4つが示されています。
- 「場所(避難所)の支援から人(避難者等)の支援へ」の考え方の転換
- 官民連携による被災者支援
- 平時・生活再建フェーズとの連続性の確保
- デジタル技術の利活用
具体的には、避難者の支援を担う行政職員は減少している一方で、避難者支援に取り組む民間団体は増加している状況にあるため、例えば、市区町村の災害対策本部や保健医療福祉調整本部に民間団体も参加できる体制とすることなどを挙げています。
また、支援体制の構築や支援の実施にあたっては、法制度上の対応が必要だとしました。具体的には、避難所で活動を行うこととされている災害派遣福祉チーム(DWAT)や、被災者の個人情報の取り扱いなどついて検討を進めるよう提言しています。