気象庁は1月29日、2024年12月に行われた「令和6年度巨大地震対策オンライン講演会」のアーカイブ配信を開始しました。
講演会のテーマは「過去の南海トラフ地震を知り、将来の巨大地震・津波に備える」です。1944年の昭和東南海地震から80年が経過した節目として、地震や津波に対する理解を深めて日頃からの備えを強化し、災害時の被害を軽減できるよう、気象庁や内閣府の担当者、そして研究者らが講演しました。講演会は4つの講座から構成されています。
第1講座は「地震・津波の情報とその利活用」です。緊急地震速報、津波警報、南海トラフ地震臨時情報、北海道・三陸沖後発地震注意情報について、それぞれどのような時に発表されるものなのか解説されています。そして、これらの速報や警報、情報を見聞きした際に取るべき行動についても説明されています。
第2講座は「南海トラフ地震臨時情報の発表を踏まえた政府の対応等について」です。気象庁は、2024年8月に発生した日向灘の地震で、運用開始以来初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。この講座では、発表当時の政府の対応や、その後のアンケート調査で地方公共団体などから寄せられた声を振り返り、今後の検証事項について説明しています。また、南海トラフ巨大地震の被害想定などについても解説されています。
第3講座は「巨大地震・津波のメカニズム」です。「震災」と「地震」の違いや、巨大地震や津波が発生する仕組みが解説されているほか、南海トラフにおける過去の地震や、南海トラフの地震活動に関する長期予測などについても紹介しています。
第4講座は「史料の見える化でわかってきた過去・将来の南海トラフ地震」です。古文書の記録と地図データを紐づけ、被害分布を作成した研究結果を踏まえ、かつて南海トラフで起きた地震の特徴などについて解説。また、南海トラフ巨大地震が発生した場合の注意点についても説明されています。
各講座のアーカイブはYouTubeにアップロードされており、動画のリンクは、気象庁のサイトで資料とともに掲載されています。なお、アーカイブ配信期間は2025年1月から1年程度となっています。