国土交通省は1月31日、2019年10月の台風第19号で甚大な被害が発生した7つの水系について、災害の再発防止のための「緊急治水対策プロジェクト」に着手すると発表しました。プロジェクトは5~10年計画で合計予算は約4213億円になります。
治水対策が実施されるのは、(1)阿武隈川、(2)吉田川(鳴瀬川水系)、(3)入間川流域(荒川水系)、(4)那珂川、(5)久慈川、(6)多摩川、(7)信濃川の7水系です。
洪水時の水位を低下させるために河道を掘って、水が流れる面積を広くする河道掘削や遊水地(河川堤防の一部を低くし、河道からあふれた洪水を一時的に貯留して洪水被害を軽減させるための池)、堤防の整備に着手します。
また、国・都県・市区町村が連携し、霞堤(万一氾濫した場合に次の堤防でその流れを食い止め、氾濫流を本川に戻すための堤防)の保全や有効活用、浸水リスクを考慮した「立地適正化計画」の作成など、ソフト対策も組み合わせた総合的な治水対策を進める計画です。
阿武隈川水系(丸森町等)、久慈川水系(大子町等)、信濃川水系(佐久市等)では、国が権限代行によって、治水対策を進めます。