気象庁は4月14日、2020年冬に日本に記録的な暖冬をもたらした大規模な大気の流れの特徴と要因について、異常気象分析検討会の分析結果を公表しました。
今回公表された資料では、2020年冬の天候の状況として、冬型の気圧配置となる日が少なく全国的に高温となったことや、降雪量も全国的にかなり少なかったことなどが挙げられ、その要因について分析されています。
それによると、今冬の記録的な暖冬の要因としては、大気上層を流れる偏西風が日本付近で北に蛇行し続けたことや、1月以降「正の北極振動」(北極域の海面気圧が平年より低く、中緯度域の海面気圧が平年よりも高くなる現象)が卓越した影響により日本付近への寒気の流入が弱かったことなどが考えられるとしており、さらに、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向が続いていることなども背景にあるとしています。また、北日本日本海側で降雪量が少なかったことには、低気圧が本州~本州南岸を通りやすかったことも影響したと分析しています。