内閣府は7月27日、世界経済の動向に関する報告書「世界経済の潮流2022年I」を公表しました。この報告書は2002年から公表しているもので、今回は「世界経済の不確実性の高まりと物価上昇」と題されています。
「世界経済の潮流2022年I」は2022年前半を対象に世界経済の動向を分析したものです。取り上げられているテーマは、景気の持ち直しとウクライナ情勢に伴う物価上昇、労働環境および労働市場の変化などで、全2章から構成されています。
報告書はまず、新型コロナ禍からの景気の持ち直しと物価上昇の進行について記しています。それによると、世界で同時期に景気が回復したため、物価が上昇。そこへウクライナ情勢の緊迫化により国際商品市況が高騰し、一段と物価上昇が進みました。また、2022年前半の中国では、感染再拡大によって防疫措置が取られ、サプライチェーンの不確実性が高まりました。世界経済の先行きは、各国での金融引締めの進展などもあり、不確実性が高まっていると分析しました。ロシアによるウクライナ侵略の長期化を筆頭に、下方リスクについて留意するよう指摘しています。
続く第2章では、デジタル化やグローバル化が進展するのに伴い、必要となる労働力や労働者の持つ技能も変化していると指摘した上で、労働市場がどのように対応しているのか、現状を分析しています。また、生産性の伸びと賃金の伸びの関係について、国際比較を行い国別の特徴を記しています。