地震・津波から風水害までを想定、「災害に強い水産地域づくりガイドライン」を公表 水産庁
掲載:2023年04月10日
リスクマネジメント速報
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水産庁は3月24日、「災害に強い水産地域づくりガイドライン」を公表しました。前回の改訂からおよそ11年ぶりに見直し、対象とする災害や地域などを広げるとともに、事前復興計画などを盛り込みました。なお、名称は「災害に強い漁業地域づくりガイドライン」から改名されました。
改訂では、想定する災害を従来の地震・津波から、高潮・高波・暴風など風水害までを含むものに拡充しました。漁港や水産地域において風水害による被害が発生していることが考慮されました。
水産業の実態を踏まえ、対象地域も広がりました。「水産地域」を漁場から陸揚げ、水産物流通・加工施設の集積地までと定義し直しました。
東日本大震災からの復旧・復興を検証して得られた教訓から事前復興計画の策定が盛り込まれました。近年、速やかな復興のためには事前に復興まちづくりについて検討しておくことが重要だと明らかになりました。
また、「一次避難海域」の目安となる水深が見直されました。一時避難海域とは、地震が発生した場合に漁港や沖合にいる漁船が、陸上よりも沖合に逃げたほうが早いと判断したときに向かう海域のことです。
ガイドライン改訂に伴い、「災害に強い水産地域づくりマニュアル」も改訂しました。安全・安心の確保編▽水産物の生産・流通機能の確保編▽復興まちづくり編――の3編構成です。このほか、事例を集めた資料「災害に強い水産地域づくり事例集」も作成し、同時に公開しました。
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