物流拠点の全体最適に向けて国は関与や支援を、物流拠点の今後のあり方に関する検討会が報告書を公表 国交省
国土交通省の「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」はこのほど、報告書を公表しました。倉庫やトラックターミナル、トラックステーション、物流不動産といった物流施設および社会インフラに関する政策の在り方を検討し、物流拠点が直面している課題を整理した上で、今後の方向性や支援策を提言しています。
物流拠点は社会インフラとしての重要度が高まっている一方で、その整備や配置については事業者ごとの判断によって進められており、全体として最適なものになっていない可能性があると報告書は指摘しました。そのため、国が物流拠点の機能や立地、整備などについて一定の方針を示すとともに、物流拠点や物流の需給を把握する仕組みを構築することを提案しました。
社会インフラの側面としては、救援物資の備蓄や発災時における緊急物資の受け入れおよび搬出入といった防災拠点としての評価が高まっています。物流拠点を防災拠点として活用するため、地方公共団体が防災協定を締結する事例も増えている一方、物流拠点の整備について地方公共団体が参画するスキームは設けられていないという課題があると指摘しました。そのため、物流拠点の円滑な整備・再構築について地方公共団体も参画するスキームを設けるとともに、必要な支援措置を検討するよう提言しました。
今後の物流拠点が担うべき役割は、①トラック輸送の変容への対応②物資の流通への対応③地域における産業政策・地域活性化政策への対応④交通のアクセス性⑤DX・GXへの対応⑥不特定多数の者への開放、防災機能等――の6つに整理されました。これら機能を備える物流拠点を基幹物流拠点と位置づけ、整備に向けて国として一定の関与や支援を行うことを検討していくべきと述べています。