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用語集

竜巻の規模を表す「藤田スケール」

2013年03月05日

藤田スケールは、竜巻を強度別に分類する等級のことで、通常F0~F5で表されます。藤田スケールの公式な等級は、写真や映像を用いた検証のほか、状況に応じて、竜巻襲来後に形成される円形の渦巻き模様のパターンや、レーダー追跡、目撃者の証言、報道映像などを基に決定されます。藤田スケールは1971年に米国で発表されましたが、日本では2007年4月から、気象庁の予報用語に追加され使用開始されました。

藤田スケールの歴史と等級の定義

1971年に、シカゴ大学名誉教授だった藤田哲也博士(1920~1998)が、当時の国立暴風雨予報センター局長のアレン・ピアソンと共に提唱したのが藤田スケール(藤田-ピアソン・スケールとも言われます)です。
藤田スケールの等級はF0~F5(原型はF12まで定義)があり、建造物や草木等の被害に基づいて算出されます。
竜巻などの激しい突風をもたらす現象は局地的で、風速計から風速の実測値を得ることは困難です。このため博士は、竜巻などの突風により発生した被害の状況から風速を大まかに推定する藤田スケールを考案しました。被害が大きいほどFの値が大きく、風速が大きかったことを示します。日本ではこれまで、F4以上の竜巻は観測されていません。
等級 風速 想定される被害
F0 17~32m/s
(約15秒間の平均)
テレビのアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。
F1 33~49m/s
(約10秒間の平均)
屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木は幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。
F2 50~69m/s
(約7秒間の平均)
住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。
F3 70~92m/s
(約5秒間の平均)
壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は横転し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半は折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。
F4 93~116m/s
(約4秒間の平均)
住家がバラバラになって辺りに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1トン以上ある物体が降ってきて、危険この上もない。
F5 117~142m/s
(約3秒間の平均)
住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などがもち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。
【出典:気象庁】

竜巻とその発生メカニズム

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【出典:気象庁】

竜巻は、積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで、多くの場合、漏斗状または柱状の雲を伴います。直径は数十~数百メートルで、数キロメートルに渡って移動し、被害地域は帯状になる特徴があります。

日本での竜巻発生状況

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【出典:気象庁】

1991年~2008年に確認された突風は全部で508件あり、そのうち竜巻と確認されたものは246件と約半数を占めています。地域により発生確認数の違いがあり、沿岸部で多く確認される傾向がみられますが、北海道から沖縄にかけて広く確認されており、日本のいずれの場所でも発生する可能性があるといえます。

左下のグラフは、1991年~2011年までに確認された321件の竜巻およびダウンバースト(※)を月別に集計した結果です。前線や台風の影響および大気の状態が不安定となりやすいことなどにより、発生確認数は8月から11月にかけて多く、この4ヶ月で全体の約60%を占めているなど、季節による違いが見られます。また、右側のグラフは、同じく321件のうち、発生時刻が判明している313件について、発生した時刻別の件数を集計した結果です。突風の発生は夜間よりも昼間に多く確認されており、12時から17時の間にピークが見られます。
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【出典:気象庁】
※ ダウンバースト:積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れのことです。吹き出しの広がりは数百メートルから十キロメートル程度で、被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴があります。

改良藤田スケール(EFスケール)について

竜巻の規模を表す数値として、現在も国際的に広く用いられている藤田スケールですが、藤田スケールはあくまで竜巻による被害の大きさを示したものであり、竜巻の厳密な風速を求める設計にはなっていなかったため、スケールでは等級ごとに風速が定義されているものの、実際の被害の程度と推定される風速が一致しないことも少なからずあったようです。また、比較的強い竜巻(特にF3~F5)に対する風速の推定値が実際の風速より極端に高く評価されてしまう欠点がありました。

このため、米国では2000年から2004年にかけて、テキサス工科大学WISEセンターで、同センターの研究員のみならず世界中の優れた気象学者や技術者が協力して『藤田スケール改良計画 (Fujita Scale Enhancement Project) 』が進められ、改良藤田スケールが開発されました。これは2006年2月に一般に公開され、その後米国では、2007年2月より竜巻の強さを示す新たな等級として採用されています。

改良藤田スケールも、藤田スケール同様EF0~EF5までの6段階で竜巻が分類されていますが、より詳細な竜巻の被害調査結果を反映して、スケールで定義される風速と竜巻の被害想定がより実際と近くなるよう(EF3~EF5では、F3~F5より風速が小さく定義されています)変更が加えられています。
 
等級 風速 想定される被害
EF0 29~38m/s 軽微な被害。
屋根がはがされたり、樋や羽目板に損傷を受けることがある。また、木の枝が折れたり、根の浅い木が倒れたりする。確認された竜巻のうち、被害報告のないものはこの階級に区分される。
EF1 39~49m/s 中程度の被害。
屋根はひどく飛ばされ、移動住宅はひっくり返ったり、破壊されたりする。玄関のドアがなくなったり、窓などのガラスが割れる。
EF2 50~60m/s 大きな被害。
建て付けの良い家でも屋根と壁が吹き飛び、木造家屋は基礎から動き、移動住宅は完全に破壊され、大木でも折れたり根から倒れたりする。
EF3 61~74m/s 重大な被害。
建て付けの良い家でもすべての階が破壊され、商店街などで見られるような比較的大きな建物も深刻な損害をこうむる。列車は横転し、吹き飛ばされた木々が空から降ってきたり、重い車も地面から浮いて飛んだりする。基礎の弱い建造物はちょっとした距離を飛んでいく。
EF4 75~89m/s 壊滅的な被害。
建て付けの良い家やすべての木造家屋は完全に破壊される。車は小型ミサイルのように飛ばされる。
EF5 >90m/s あり得ないほどの激甚な被害。強固な建造物も基礎からさらわれてぺしゃんこになり、自動車サイズの物体がミサイルのように上空を100メートル以上飛んでいき、鉄筋コンクリート製の建造物にもひどい損害が生じ、高層建築物も構造が大きく変形するなど、信じられないような現象が発生する。
EFスケールが導入された2007年2月1日以来、この階級の竜巻はこれまでに全米で3例確認されている。直近のものは、2011年5月24日にミズーリ州ジョプリンで発生した竜巻で、100人以上の死者を出した。
【出典:Wikipedia】

(文責:小野 健一

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