エネルギーの今を知る10の質問、「日本のエネルギー2023」を公表 資源エネルギー庁
掲載:2024年03月11日
リスクマネジメント速報
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資源エネルギー庁は2月26日、広報資料「日本のエネルギー2023」を公表しました。化石燃料やレアメタルの輸入量、カーボンニュートラルなどについてQ&A形式でまとめられています。
質問に対する答えには図版が多用され、特徴を視覚的に理解できるように工夫されています。例えば、鉱物資源の説明では米地質調査所(USGS)が発行した「Mineral Commodity Summaries 2023」のデータをもとにリチウム、コバルト、ニッケルの年間輸入量が輸入先とともに円グラフで示されています。輸入量はそれぞれ、約1.05万トン(2022年は約0.95万トン)、約0.81万トン(同約0.92万トン)、約6.5万トン(同約5.1万トン)でした。これら鉱物は繰り返し充電できるリチウムイオン電池の材料として欠かせない重要鉱物となりますが、日本の輸入依存率は100%となっています。
日本の温室効果ガス排出量については最新データが2021年度となります。温室効果ガス排出量は11.7億トンで2020年度に比べて0.2億トン増加しました。排出量の84%を占めるエネルギー起源CO2が0.2億トン増加し、9.9億トンになったためです。東日本大震災の翌年となる2014年以降、排出量は毎年減ってきていましたが、2021年度は8年ぶりに増加に転じました。
日本の再エネ電力比率は2021年度で約20.3%とあり、2020年度比で0.5ポイント増加しました。国土面積あたりの太陽光導入容量は主要国の中で最大級であり、太陽光発電は世界第3位と記されています。
このほか、福島の復興や原子力などのトピックがあります。2023年12月のCOP28で実施されたグローバル・ストックテイク(GST)を取り上げ、原子力が気候変動に対する解決策の一つとして正式に明記されたと紹介しています。
※比較対象年の数値は「日本のエネルギー2022」に基づいています。
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