中小企業の経営課題に関するアンケート調査結果を公表 東商
掲載:2024年12月26日
リスクマネジメント速報
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東京商工会議所(東商)は12月6日、中小企業の経営課題に関するアンケート調査の結果を公表しました。売上・収益や成長に向けた取り組みなどについて東京23区内の中小企業および小規模事業者を対象に調査しました。
アンケートは2024年9月20日~10月11日にかけて実施。有効回答数は1,447社(回収率14.5%)でした。回答企業を業種別でみると最も多いのが卸売業で20.8%(301社)、次いで製造業が18.9%(273社)、建設業が14.2%(205社)でした。従業員数では20人以下の企業が全体の64%(924社)を占め、51~100人は8.2%(119社)、101~300人は4.9%(71社)となりました。
公表された資料によると、2024年1~9月の売上高を、2023年同期と比較して「増加」したと回答した割合は44.8%、「不変」は32.1%、「減少」は23.1%でした。業種別でみると「増加」との回答割合が5割を超えたのは飲食・宿泊業と運輸業の2つでした。「増加」の割合が最も高かったのは飲食・宿泊業で全体の55.5%。このうち55.1%が「概ね10%以上増加」と回答、「概ね50%以上増加」との回答も2.2%ありました。運輸業では、「増加」との回答割合が54.8%でした。
飲食・宿泊業と運輸業などでは、同期間における販売・受注単価が「上昇」したと回答した割合も高く、それぞれ61.3%と55.9%となりました。また、「上昇」したとの回答割合が全体の5割を超えた業種はこのほかに、建設業(53.7%)、卸売業(52.2%)、製造業(51.2%)となりました。
一方、原材料・仕入費用やエネルギー費用が「上昇」したと回答した企業の割合はそれぞれ76.3%と68.7%であり、コストも上昇傾向にあることが分かりました。価格転嫁できたかどうかの質問では、原材料・仕入費用について「すべて価格転嫁できた(10割)」との回答は7.3%、最も割合が高かったのは「1~3割」で33.2%となりました。「まったく転嫁できていない」との回答も23.3%ありました。エネルギー費用では「まったく転嫁できていない」との回答は41.0%となった一方、「すべて価格転嫁できた(10割)」との回答は4.9%でした。
収益については直近の決算期において黒字だったと回答した割合は59.2%、「収支トントン」は18.7%、赤字は22.1%でした。今期見通しについては黒字見込み54.8%、「収支トントン」見込み31.7%、赤字見込み13.4%でした。
調査では、脱炭素・カーボンニュートラルに向けた取り組みについても尋ねています。回答で最も割合が高かったのは「取り組む予定はない」で40.5%、次いで「取り組みたいが、何をすべきか分からない」が25.2%、「取り組むかどうか検討している」が16.6%でした。