環境省と国立環境研究所は12月10日、2020年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)を公表しました。それによると、2020年度の温室効果ガスの総排出量は前年度比5.1%減の11億4,900万トン(二酸化炭素に換算)でした。これは1990年度以降、最小となるもので、国内の温室効果ガスの総排出量は2014年度から連続で減少しました。
日本政府は2050年までに、温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指しています。公表された速報値では、2020年度の温室効果ガス総排出量は2013年度と比べて18.4%の減少となりました。
二酸化炭素の排出量は、前年度比5.8%減の10億4,400万トンでした。部門別では、工場などの産業部門が前年度比8.3%減の3億5,300万トン、自動車などの運輸部門が同10.2%減の1億8,500万トン、商業・サービス・事務所などの業務その他部門が同4.1%減の1億8,400万トン、発電所・製油所などのエネルギー転換部門が同8.1%減の8,240 万トンとなりました。一方、家庭部門だけが前年度比4.9%増加し、排出量は1億6,700万トンとなりました。
なお環境省は2022年4月に2020年度の確報値を公表する予定です。