人権や環境などへの取り組みについても調査、日本企業の海外事業展開に関する調査結果(2021年度速報版)を公表 JETRO
日本貿易振興機構(JETRO)は1月31日、海外ビジネスへの関心が高い日本企業向けに実施した海外事業展開に関するアンケート調査の結果(2021年度速報版)を公表しました。調査は2002年度から毎年実施しているもので、今回は人権や環境などへの取り組みについて初めて大項目を追加して尋ねました。
調査は2021年11月4日~12月7日にかけて、13,456社を対象に行い1,745社から回答を得ました(回答率13.0%)。回答企業の業種は製造業が1,098社、非製造業が647社となり、規模別では大企業が297社、中小企業が1,448社となりました。
人権尊重方針の策定と公開について質問したところ、38.1%が「策定している」と回答しました。また、36.4%は策定の準備段階に進んでいました。他方、国内外の顧客から人権尊重方針への準拠を求められた企業は、全体の31.3%でした。
脱炭素化への取り組みについては、大企業と中小企業で大きな差が見られました。国内では全体の4割が「すでに取り組んでいる」と回答したものの、大企業(68.0%)に比べ、中小企業は34.4%と低くなりました。取り組み内容では、「再エネ・新エネ電力の調達」および「社会貢献活動(環境活動)の実施」の項目において、大企業と中小企業の差が大きく、中小企業では収益性などがボトルネックとなっていると指摘しています。
調査ではこのほか、海外での事業拡大意欲が上向いていることや、国際輸送の混乱とコスト上昇を理由にサプライチェーンを見直す企業が増加していることなどが取りまとめられています。