東京都は4月5日、化学物質を取り扱う都内の事業者向けに、水害対策アドバイザーの無料派遣と水害による化学物質の流出防止対策にかかる経費の半分を最大100万円まで補助する事業を開始しました。ハザードマップで災害が想定される区域に立地する工場などから化学物質が流出するのを防ぐためです。
対象となる事業者は主に、適正管理化学物質取扱事業者のうち中小事業者と個人事業者です。支援を受けるにはハザードマップで工場などが浸水すると想定されていることが条件です。
水害などによる化学物質の流出防止対策を検討もしくは実施している事業者に対して、水害対策アドバイザーが技術・経営・文書作成の側面から支援します。浸水防止対策や被害の拡大防止策などについて指南するほか、導入している対策については効果検証や運用改善について助言します。国などの支援制度を活用するのに必要な書類の作成についてもアドバイスします。
経費を補助する事業では、止水板や防水扉、防水シャッター、かさあげ土台などの設置費用の半分、最大100万円まで補助します。製品購入費または原材料費、運搬費、工事費が設置費用として認められます。
都は環境確保条例の「化学物質適正管理指針」を改正し2021年4月、施行しました。同指針では、事業所内への浸水防止や化学物質の流出防止について対策を実施するとともに、負荷に耐える設備の整備に努めることや、防災行動計画を策定することなどを規定しています。