「日本のエネルギー2024」を公表、GXや非化石転換などについても解説 資源エネルギー庁
資源エネルギー庁は3月19日、広報資料「日本のエネルギー」の2024年版を公表しました。
エネルギーに関する10個のテーマについて、Q&A形式で解説しています(①S+3E②安定供給③経済性④環境⑤安全性⑥GX実現に向けたイノベーション⑦再エネ⑧福島の復興⑨原子力⑩省エネ・非化石転換)。
各テーマの解説では、最新データをもとに図解も活用されています。③の「電気料金はどうなっていますか?」では、燃料輸入価格の高騰に伴い、2022年度は電気料金が上昇したものの、その後燃料輸入価格が低下したことなどにより、2023年度は2022年度よりも低い水準になったことがグラフで示されています。
④では、日本の温室効果ガス排出量の最新データ(2022年度)が掲載されています。2022年度の温室効果ガス排出量は11.4億トンで、2021年度から0.3億トン減少となりました。
⑥では、2023年版と比較すると、新たにGX(グリーントランスフォーメーション)に関するQ&Aが加わっています。
また、次世代の再生可能エネルギーとして、ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力なども紹介されています。ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶構造をもつ発電層を用いるため、軽量・柔軟で、ビルの壁面などへの設置拡大が期待できます。また、主要な原料であるヨウ素は、日本が世界第2位の産出量であり、エネルギーの安定供給が期待されています。浮体式洋上風力は基礎が洋上に浮いた状態で発電するため、基礎を海底に直接固定する必要がなく、水深の深い海域でも設置が可能になります。このほか、水素社会の実現に向けた取り組みや、アンモニアの社会実装に向けた取り組みに関する解説も掲載されています。
⑩では、2050年カーボンニュートラルに向けてさらに排出削減対策を進めていく上では、徹底した省エネルギーだけでなく、電化や非化石エネルギーへの転換に取り組むことが重要であると解説されています。