情報処理推進機構(IPA)は2月9日、2021年10月に発刊した「DX白書2021」の続刊となる「DX白書2023」を公表しました。DXを推進するための戦略・人材・技術について情報を更新したほか、IPAが2022年に実施した調査などを基にDXの取り組み状況を俯瞰し課題や求められる対応などを取りまとめています。
IPAは2022年6~7月、「企業を中心としたDX推進に関する調査」を実施、同白書ではその調査結果などを基に分析した内容が記されています。例えば、日米の企業による取り組みについて領域ごとの成果を比較し紹介しています。
それによると、デジタイゼーションやデジタライゼーションについて成果が出ている割合は日米とも約80%である一方、ビジネスモデルの根本的な変革などを求めるDXについては成果が出ている割合が日本では20%台となり、米国の約70%とは差が顕著であると指摘しています。同白書では、アナログ業務のデジタル化など既存業務の効率化はデジタライゼーションであるとし、DXとは区別しています。DXには「X=変革」という目的があり、新たな製品・サービスの創出や顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの変革がDXに相当するものと捉え分析されています。
白書は「総論」「国内産業におけるDXの取り組み状況の俯瞰」「企業DXの戦略」「デジタル時代の人材」「DX実現に向けたITシステム開発手法と技術」の5部で構成されています。要点を全37ページにまとめた「エグゼクティブサマリー」も同日公開され、それぞれIPAのホームページからPDF形式でダウンロードできます。