AIやデータスペースについて追記、「DX実践手引書 ITシステム構築編」の改訂版を公開 IPA
掲載:2024年04月09日
サイバー速報
目次
情報処理推進機構(IPA)は3月27日、DX未着手・途上企業を対象とした手引書「DX実践手引書 ITシステム構築編」を改訂し公開しました。同書はDXを実現するためのITシステムとそれを構成する技術要素群などを示しています。
主な改訂箇所は、第4章「あるべきITシステムとそれを実現する技術要素」の「4.4. データ活用 」です。「4.4.4 データスペース」と「4.4.5 データ活用におけるAI」が追記されました。
データスペースとは、「国や組織の垣根を越えたデータの流通を可能にする標準化された仕組み」(出典:IPA)のことであり、メリットとともに、データ連携方法や特徴などを解説しています。具体的には、データスペースは多頻度でデータ単位のアクセスが行われるとし、「データ転送/アクセス」のための仕組みとして「コネクタ」(異なる国や組織などでもデータをスムーズに連携する仕組み)の重要性について紹介しています。
データ活用におけるAIの項目では、AIシステムを活用するためのデータ環境整備についてOECDの定義に基づくAIシステムを用いて説明しています。具体的には構築フェーズ(訓練)と利用フェーズに分け、精度の高いアウトプットを得るための方法を示しました。AIシステムの安全性の評価手法や規格作成などを行う機関としてIPAが今年2月に設立した「AI セーフティ・インスティテュート」についても盛り込まれました。
おすすめ記事
- 企業価値を高める「DX認定」を受けるには ~デジタルガバナンス・コード対応でDXを加速~
- NICE Cybersecurity Workforce Framework(SP800-181)とは
- AI Risk Management Framework (AIリスクマネジメントフレームワーク、AI RMF 1.0)
- 欧州AI法案
- 審査を通過した申請書の記述内容とは? DX認定申請書分析レポートを公開 IPA
- 「デジタル経営」は実践段階にあるか? 「日米デジタル経営調査」の結果を発表 JEITAなど
- 報告書「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」を公表、「デジタルスキル標準」の改訂も実施 経産省・IPA
- 「DX白書2023」を発刊、トランスフォーメーション(変革)への取り組みを促す IPA
- DX推進指標に基づく成熟度、全体の17.7%は全項目で「3」以上 IPA
- 中堅・中小企業向けにDX推進に役立つ手引書とAI導入ガイドブックを公表 経産省
- 令和3年度「自治体DX・情報化推進概要」を公表、都道府県の2割で情報化統括責任者(CIO)が不在 総務省
- デジタルガバナンス・コード「3.0」を発表、3つの視点・5つの柱として再整理 経産省
- データスペースの利用手順を解説した「データ利活用・データスペースガイドブック第1.0版」を公開 IPA