避難所運営にマイナンバーカード活用へ、防災DXの取り組みを紹介 デジタル庁
掲載:2024年06月13日
サイバー速報
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デジタル庁では防災分野でデータを利活用するための環境整備を推進しています。例えば、避難所運営のデジタル化で自治体職員の業務負荷を減らしたり、効率化を目指したりしています。交通系ICカードを用いて避難者の入退所を記録するなどの実証実験を踏まえ、能登半島地震では実際に「Suica」を用いて避難所の利用状況を把握しました。6月4日には、こうしたデジタル庁の取り組みをとりまとめた資料が公開されました。
公開された資料は「広域災害を対象とした避難者支援業務のデジタル業務改善に関する調査研究」に係る実証検証報告書のほか、「デジタル庁における防災DXの取組」、「令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取組について」です。避難所運営についてデジタル化を推進し、効率化や支援強化を目指した取り組みがまとめられています。
それによると、デジタル庁では「防災DX」と称して防災アプリの開発および利活用の推進と、それを支えるデータ連携基盤の構築を官民連携で進めています。例えば、民間企業や地方自治体が会員となっている「防災DX官民共創協議会」を発足して、マイナンバーカードを活用した防災対策の検討などを進めています。今後は、避難所の入退所の把握にマイナンバーカードを利用できるよう運用体制を構築します。能登半島地震の被災地で行った、交通系ICカード「Suica」を用いた避難所の利用状況を「見える化」した取り組みを踏まえ、マイナンバーカードに展開するものです。「Suica」を用いた取り組みは、石川県の要請を受け、東日本旅客鉄道(JR東日本)の協力のもとデジタル庁と防災DX官民共創協議会が実施しました。
公開された資料には、大規模災害時に民間のデジタル人材を派遣する仕組みとして「災害派遣デジタル支援チーム」(仮称)制度の創設が明記されています。能登半島地震では、発災直後から被災自治体の現場に民間のデジタル人材が参画し、その場でシステムを構築するなどして災害対応に貢献しました。
参考文献
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