2024年版「中小企業白書」/「小規模企業白書」の概要資料を公表 中小企業庁
掲載:2024年05月24日
リスクマネジメント速報
目次
中小企業庁は2024年版の「中小企業白書」および「小規模企業白書」を取りまとめ、例年6月末に予定している市販に先駆けて白書の概要資料を5月10日に公表しました。なお、中小企業および小規模企業の区分は中小企業基本法に基づくもので、業種と資本金、常時雇用する従業員数によって定められています(※)。
概要資料によると、白書では中小企業および小規模企業それぞれにおいて令和6年能登半島地震の状況やこれまでの新型コロナウイルス感染症の影響と対応について分析しました。関連するトピックとして中小企業のBCP策定の状況についても調査結果を紹介しました。
それによると、2023年の中小企業における事業継続計画(BCP)策定率は15.3%と増加しました(n=9740)。策定済みの企業を対象にその効果を尋ねたところ、5割以上が「従業員のリスクに対する意識が向上した」と回答しました。次いで「事業の優先順位が明確になった」(30.6%)、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」(28.7%)、「業務の改善・効率化につながった」(25.5%)となりました。
中小企業の売上高は感染症の落ち込みから回復しましたが、人手不足は深刻化しました。そのような中でも人材を十分に確保できている企業では、働きやすい職場環境・制度の整備が進んでいるとし、その要因の第1位は「賃金や賞与の引き上げ」(52.0%)とする調査結果を掲載しました(複数回答可、319社の回答を集計)。賃上げの原資となる業績の改善が見られない中でも、人材確保の必要性や物価動向を背景に賃上げを行う企業が増加していると記しています。
一方、小規模事業者は中小企業と比べて売上不振の割合が高く、厳しい経営環境にあると分析。ただ、そのような中でも支援機関を活用している事業者ほど利益は高いという調査結果を示し、支援体制の強化が必要としました。
(※)中小企業者と小規模企業者についてはこちらに説明があります。
出典:中小企業庁「本文を読む前に(凡例)」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b0_3.html
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