非常時における携帯電話サービスの事業者間ローミング等に関する電気通信設備に係る技術的条件について意見公募を実施 情報通信審議会
掲載:2024年11月07日
リスクマネジメント速報
目次
通信キャリアの事業者間で回線を乗り入れる「事業者間ローミング」について総務省は2025年度末頃の導入を目指し、検討・検証を進めています。事業者間ローミングは自然災害や通信障害のときに臨時的に契約していないキャリアの通信網(以下、救済網とする)を利用できるようにするもので、法制度や運用ルール、技術仕様、端末での対応など検討すべき対象は多岐にわたります。このうち、技術基準を整備するために必要な検討・検証を担う「非常時における事業者間ローミング等に関する検討作業班」(IPネットワーク設備委員会※の下部組織)および「検討作業班端末等タスクグループ」はこのほど、電気通信設備に関する技術的条件について検討結果をとりまとめた報告(案)を公表しました。あわせて意見公募を実施、11月18日まで受け付けます。
公表された報告(案)では、端末設備とネットワーク設備に分けて要件や省令(端末整備等規則など)を検討した結果がとりまとめられています。端末設備では、追加機能▽技術基準として位置付けるべき技術的条件▽技術基準以外の技術的条件▽技術基準適合性確認のための試験▽相互接続性確認のための試験▽対象となる端末▽制度整備の実施時期――について記されています。
端末設備が事業者間ローミングに対応するための追加機能要件は9項目に整理されています。具体的には、位置登録がない状態でも救済網経由で110番などの緊急呼を発信できる機能や、平時には救済網に接続しないようにする機能、救済網に在圏していることを表示し選択できるようにする機能、救済網に対して過剰な付加を与えないようにする機能などです。
他方、ネットワーク設備については事業用電気通信設備規則の関係規定について言及されています。非常時における事業者間ローミングを行う上で技術的にやむを得ない制約による挙動が明らかになったとし、こうした挙動を許容する旨の制度整備の検討を行うことが適当であると提言しています。
※IPネットワーク設備委員会(情報通信技術分科会)は総務省の諮問機関である情報通信審議会の下部組織
おすすめ記事
- 事業者間ローミング
- 能登半島地震に学ぶ、BCP活動を進化させるヒント
- 能登半島地震から学んだBCPの改善点 ~経営者が直面した不安と苦悩~(前編)
- 能登半島地震から学んだBCPの改善点 ~今求められるBCPのアップデート~(後編)
- BCP総点検のススメ~アフターコロナ・能登半島地震からのBCP再構築~
- 緊急通報のみ可能なローミング提供方式も2025年度末導入へ、第3次報告書を公表 総務省
- 総務省が基地局の強靭化を支援へ、大規模災害発生時における通信サービスの維持・早期復旧に向けた取り組みの方向性について意見公募を実施 情報通信審議会
- 令和7年度予算の概算要求(概要)と重点施策2025を公表 総務省
- 能登半島地震の教訓などを踏まえ、防災基本計画を修正 内閣府
- 公衆無線 LAN「00000JAPAN」、災害時だけでなく大規模通信障害でも無料開放へ Wi-Biz、TCA、携帯電話5社