国土交通省はこのほど、第2回「NIPPON防災資産」の認定案件を公表しました。
「NIPPON防災資産」は2024年5月に創設された制度で、昨今自然災害の激甚化・頻発化が進む中、発生した災害の状況や教訓を伝える施設・活動を防災資産として認定することで、一人ひとりが災害を自分事化することを目的としています。今回は新たに6件が「優良」、4件が「認定」として選出されました。
「優良」の一つには、岩手県釜石市の「いのちをつなぐ未来館における震災伝承活動」があります。2011年の東日本大震災の教訓を基に、館内で語り部や防災関連のワークショップなど幅広い年代に応じた「楽しく学べる体験型プログラム」を提供しています。施設運営者の創意工夫によって防災意識の向上を図る取り組みを継続的に行っている点が、優良認定のポイントとなったとされています。
「認定」には例として、新潟県三条市の「三条市水防学習館」が選ばれました。これは2004年と2011年にあった二度の大洪水の教訓を伝えるため、リアリティある記録や写真の展示のほか、水害降雨再現シアターなど体験型の施設を導入しています。近隣自治体の教育委員会や旅行会社とも連携し、被災者の体験を聞くことができる講座や水没車水圧体験、車ウィンドウ破壊体験など多様な防災教育プログラムを提供している点が、認定のポイントになったとされました。
また、今回の防災資産選定に伴い、12月22日には認定式が開催されました。そのほかの「優良」、「認定」に選出されたものは、国土交通省の公式サイトにて紹介されています。