最大許容停止時間 (MTPD: Maximum Tolerable Period of Disruption)
掲載:2009年08月09日
用語集
『最大許容停止時間』とは、MTPD(Maximum Tolerable Period of Disruption)とも呼ばれ、経営陣が最大限譲歩できる業務中断の最長時間のことを指します。
『最大許容停止時間』の定義
MTPD(Maximum Tolerable Period of Disruption)とは、期待されない事象(事故・災害や大障害等)によって、重要な業務(取引先への支払や製品の納品業務など)が停止し、事業(顧客に製品やサービスを提供するための一連の活動)が中断に追い込まれた際に、その中断時間が事業にもたらす影響の観点(例:主要顧客が他社に流れてしまう等)から、組織の経営陣が最大限許せる業務中断時間の長さを意味します。
これを分かりやすく、人間の体にたとえるなら、
これを分かりやすく、人間の体にたとえるなら、
- 期待されない事象 → 交通事故
- 業務→ 心臓
- 事業 → 人間としての活動
『最大許容停止時間』の意義
『最大許容停止時間』は、事業継続計画(BCP)においての、あらゆる面での判断基準になるものであり、非常に重要な役割を持ちます。
具体的には、BCPを作成するための分析活動(事業インパクト分析(BIA))において、「事業にとって、どの業務が重要であるのか」を導き出すための指標となります。また、このようにして導き出された重要な業務に対し、何時間(何秒、何分、何日、何週間、何ヶ月)以内の復旧目標(RTOやRLO、RPO等)を設定すればよいのか、を決める際の基準としても利用されることになります。
具体的には、BCPを作成するための分析活動(事業インパクト分析(BIA))において、「事業にとって、どの業務が重要であるのか」を導き出すための指標となります。また、このようにして導き出された重要な業務に対し、何時間(何秒、何分、何日、何週間、何ヶ月)以内の復旧目標(RTOやRLO、RPO等)を設定すればよいのか、を決める際の基準としても利用されることになります。
『最大許容停止時間』の事例
『最大許容停止時間』は、最終的には、組織の判断に委ねられるものの、つまるところ「事業の利害関係者(一番の利害関係者は、一般的には事業の対象顧客)が何を求めているか」が最大の決定要因になります。したがって、サプライチェーンの力が強く働く製造業(例えば自動車業界)や、短い時間で何千何万もの決済処理をするような金融業では、事業が中断した際のインパクトが大きいため、比較的短い『最大許容停止時間』になる傾向があります。実際、ある調査によれば、多くの製造業や金融業において『最大許容停止時間』を「1日未満」として認識していることが分かっています。