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南海トラフ海底地震津波観測網「N-net」の敷設工事を開始、緊急地震速報の発表に影響も 防災科研・気象庁

掲載:2023年10月24日

リスクマネジメント速報

         
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防災科学技術研究所は10月17日、南海トラフ海底地震津波観測網「N-net」における沖合システムの敷設工事を24日から開始すると発表しました。N-netは南海トラフ地震の想定震源域のうち、観測網がまだ設置されていない高知県の室戸岬沖から宮崎県沖の日向灘にかけてケーブル式の海底地震・津波観測システムを整備するものです。2019年から海洋調査などをはじめ、今回の敷設を経て2025年3月末の整備完了を計画しています。この工事に伴い、気象庁は10月20日、一時的に緊急地震速報の発表が平時より最大で13秒程度遅くなる可能性があると発表しました。

N-netは沖合システムと沿岸システムで構成されるもので、地震計や津波計などを通じて地震や津波をリアルタイムかつ直接検知することができるようになります。文部科学省の資料によると、最大20分程度早く津波を直接検知できます。なお、南海トラフ巨大地震震源域に設置された観測網としては「DONET」があり、日本海溝とその周辺の震源域では日本海溝海底地震津波観測網「S-net」が整備されています。

N-net敷設工事開始に伴い、気象庁は10月25日から11月20日にかけてDONETの計画作業を実施します。DONETは紀伊半島の熊野灘沖に整備されたDONET1と、和歌山県の潮岬沖から室戸岬沖の観測網であるDONET2の二つに分かれています。計画作業の期間中はDONET2の全観測点が停止し、データを緊急地震速報の発表に活用できなくなります。このため期間中にDONET2の観測点を震源とする地震が発生した場合、緊急地震速報の発表が平時より遅くなる可能性があると気象庁が発表しました。また、海況によっては、計画作業が12月4日までずれ込む可能性があるとしました。

※気象庁は11月7日、DONET2について緊急地震速報などへの活用を再開したと発表しました。

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