未成年者に対する性加害に企業が加担しないよう「未成年者に対する性加害問題に関わる標準ガバナンスコード」を公表 日本取締役協会
日本取締役協会のリスク・ガバナンス委員会は10月12日、「未成年者に対する性加害問題に関わる標準ガバナンスコード」を公表しました。未成年者の人権を尊重するという企業の責任を果たしていくために策定されたものであり、方針やプロセスについて企業が明確化することを求めています。とりわけ未成年者を性加害から守るためのコンプライアンスとガバナンス体制について強化するよう提言しています。
同コードは原則として次の5つを基本としています。
- 未成年者の人権の尊重
- 未成年者の人権を尊重する企業の責任
- 未成年者の人権を尊重する企業が確立すべき方針およびプロセス
- 負の影響の是正
- 救済
この原則は、国連が策定した「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年)や「ビジネスと人権の次の10年に向けたロードマップ」(2021年)を踏まえた内容となっており、例えば原則3では、未成年者の人権を尊重する責任を果たすために企業は、「その規模および置かれている状況に適した方針、コミットメントを明確にして公表するとともに、さまざまな状況において発生する可能性のある未成年者の人権に対する負の影響やリスクに対処するため、人権デュー・ディリジェンスを中心とした必要なプロセスを整備、運用すべきである」と示しました。続いて、人権デュー・ディリジェンスとは権利保持者である未成年者に対するリスクをも含むと指摘し、「幅広い企業の全社的リスクマネジメントに組み込むべきである」と明記しました。なお、未成年者の人権への影響を評価するためのプロセスはリスク評価など既存のプロセスに組み込むことができます。