環境省はこのほど、2023年度の国内の温室効果ガス排出量・吸収量が10億1,700万トン(CO2換算)だったことを発表しました。2022年度比では4.2%減、2013年度比では27.1%減となり、過去最低値を記録。2050年ネット・ゼロの実現に向けた減少傾向が続いています。
ここでいう「温室効果ガス排出量・吸収量」とは、国内の排出量の合計から、森林等の吸収源対策による吸収量を差し引いた値です。公表された資料では、排出量・吸収量のそれぞれの詳細についても報告しています。
まず、2023年度の排出量は10億7,100万トンで、2022年度比で4.0%(4,490万トン)減を記録しました。減少要因としては、エネルギー消費量が減少したこと、電力の脱炭素化(再エネ拡大や原発再稼働)に伴い電力由来のCO2排出量が減少したことなどが挙げられています。
ガス別の排出量を見てみると、CO2の排出量は約9億8,900万トンで、2022年度比で4.1%減、2013年度比で24.8%減となりました。代替フロン等4ガス(ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素)の排出量は3,700万トンで、2022年度比で3.9%減となりました。特にハイドロフルオロカーボン類の排出量は2005年度から2021年度まで年々増加していましたが、2022年度、2023年度は2年連続で減少となりました。
また、森林などの吸収源対策による吸収量は、前年度とほぼ同量の約5,370万トン(2022年度は約5,380万トン)でした。このうち、森林吸収源対策による吸収量は約4,520万トン、農地土壌吸収源対策による吸収量は約690万トン、都市緑化による吸収量が約130万トン、ブルーカーボンその他による吸収量が約30万トンでした。
吸収源としての期待が大きい沖合のブルーカーボンについては、今後、関係省庁や官民と連携しながら推進体制を構築することとなっています。