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気候変動

掲載:2024年06月17日

用語集

気候変動とは、数十年以上の長期的な期間における気温や気象パターンの変化を指します。
国連気候変動枠組条約では、気候変動を「地球の大気の組成を変化させる人間活動に直接または間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるもの」と定義しています。

         

気候変動の要因

気候変動を引き起こす要因としては、太陽活動の変化や火山噴火などの自然現象も挙げられます。しかしながら、気候変動の代表例である過去200年間における急速な地球温暖化は、主に人間の活動によるものと考えられています。石炭、石油、ガスなどの化石燃料の燃焼により二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが発生し、これらが地球を覆い、太陽の熱を閉じ込めることで温暖化が引き起こされます。

発電や商品・食料の生産、森林伐採、輸送手段の使用、建物への電力供給など、温室効果ガスの発生につながる人間の活動は多岐にわたります。また、電力や商品を大量消費する人々のライフスタイルも、温室効果ガス増加の一因といえます。

気候変動による影響と今後

気候変動は、干ばつや水不足、大規模火災、海面上昇、洪水、生物多様性の減少など、さまざまな影響をもたらしています。「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 ~日本の気候変動とその影響~」では、世界の年平均気温は19世紀後半以降100年当たり0.72℃の割合で上昇し、海面水温は1891~2016年において100年当たり0.53℃の割合で上昇していることが報告されています。さらに、北極域における海氷域面積の減少の深刻化や、熱帯低気圧の最大風速・降雨量の増加も危惧されています。

また、「日本の気候変動2020 ―大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書―」によると、日本の年平均気温の上昇は世界平均よりも速く進行しているといいます。日本国内における真夏日や猛暑日、熱帯夜の日数や、大雨・短時間強雨の発生頻度も増加しており、これらは今後も増加傾向が続くと予測されています。

気候変動をめぐる国際的な枠組み

気候変動への対応をめぐっては、これまでにさまざまな国際的な会議が開催されてきました。気候変動に関する主な国際的枠組みとしては、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、京都議定書、パリ協定があります。

1994年に発効した国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的とし、締約国に温室効果ガスの排出・吸収の目録の作成などの義務を課すものです。この条約に基づき、1995年から気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催されています。

2005年に発効した京都議定書では、先進国が一定の「約束期間」に実現すべき温室効果ガスの削減目標が、1990年比で示されました。第一約束期間(2008~2012年)では、日本に-6%、米国に-7%、EUに-8%の削減が求められ、第二約束期間(2013~2020年)ではEUに-20%の削減が求められました。(第二拘束期間は日本は不参加)

2016年に発効したパリ協定は、2020年までの枠組みである京都議定書の後継となるものです。途上国を含む全ての国が温室効果ガス排出削減などの取り組みに参加する点が特徴で、「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」を世界共通の長期目標として掲げています。

気候変動対策における日本の目標と計画

日本においては、2020年10月、菅総理大臣(当時)が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。さらに、2021年4月には米国主催気候サミットにおいて、「2030年度に温室効果ガスの46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けること」が表明されました。

このような新たな目標を踏まえ、2021年10月に「地球温暖化対策計画」が改定されました。この計画では、二酸化炭素以外も含む全ての温室効果ガスが網羅され、目標達成のための具体的な対策・施策が示されています。また、同じく2021年10月には、「気候変動適応計画」も改定されました(2023年5月一部更新)。この計画では、気候変動適応に関する施策の基本的方向性や分野別施策、適応促進のための基盤的施策が記載されています。

日本の温室効果ガス排出削減目標と関連計画
年月 内容
2020年10月 菅総理大臣(当時)が「2050年カーボンニュートラル」を宣言
2021年4月 米国主催気候サミットで「2030年度に温室効果ガスの46%削減(2013年度比)を目指し、50%の高みに挑戦」を表明
2021年10月 「地球温暖化対策計画」が改定。全ての温室効果ガスを網羅し、具体的な対策・施策を示す
2021年10月 「気候変動適応計画」が改定(2023年5月に一部更新)。適応に関する施策の基本的方向性や分野別施策を記載

気候変動対策における「緩和」と「適応」の考え方

気候変動対策には、温室効果ガスの排出量を削減するための「緩和」と、予測されている気候変動の影響を防止・軽減したり、新しい気候条件を利用したりする「適応」の2つがあります。緩和の取り組みとしては、再生可能エネルギーの活用や節電・省エネ、森林などのCO2の吸収源を増やすことなどが挙げられ、適応の取り組みとしては、渇水対策や防災、高温に強い農作物の開発、熱中症予防などが挙げられます。気候変動対策は、緩和・適応の両方の観点から取り組みを進めることが必要です。

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