国連はこのほど、国連の独立の専門家グループがまとめたグローバル・レポート第3弾「Harnessing Climate and SDG Synergy: Quantifying the Benefits」を公開しました。
本報告書は、気候変動対策とSDGsの課題が密接に結びついていることを示しています。また、これらに同時に対処し、相乗効果を生むように資金配分を行うことで、政府支出の総額を最大37%削減できる可能性があると示しています。
また、本報告書は、3つの分野(都市、生物多様性、金融)において、気候変動対策とSDGsに同時に取り組むことの効果を示す研究例も紹介しています。例えば「金融」のパートでは、2023年の自然災害による世界の経済損失は総額2,900億ドルで、うち62%が保険でカバーされなかったと記しています。特にアフリカでは、損失の補償対象となったのはわずか0.5%でした。報告書は、保険適用範囲が1%拡大するごとに、各国がSDGs達成に5.8%近づくという試算を示しながら、災害保険を開発計画に盛り込むことでレジリエンス強化につながるとしています。
本報告書はまとめとして、相乗的なアプローチは、パリ協定の目標達成などに向けた一歩になるとしています。その上で、各国の戦略に盛り込むよう推奨しています。
報告書の全文は国連の公式サイトで読むことができます。