厚生労働省はこのほど、「令和6年度雇用均等基本調査」の結果を公表しました。本調査は、全国の企業と事業所を対象とし、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態を把握する目的で毎年実施されているものです。
令和6年度は、事業所(常用労働者5人以上)において配偶者が出産した男性のうち育児休業を取得した人の割合が40.5%と顕著に増加し、前年比10.4ポイントの伸びとなったことが明らかとなりました。常用労働者10人以上の企業調査によると、役員を含む課長相当職以上の女性管理職を有する企業の割合は54.9%と0.7ポイントの増加、係長相当職以上の企業の割合は64.4%で1.7ポイントの増加といずれも昨年に続き微増となっています。
また、育児に関する目的のために利用することができる休暇制度について6年ぶりに調査が行われました。同休暇制度の規定がある事業所の割合は71.2%となっており、令和元年度に実施した前回の調査より11.9ポイント増加しました。子が何歳になるまで休暇を取得できるかは、「1歳を超え3歳未満」が32.6%(7.5ポイント増)と最も高くなっており、次に「1歳以下」が30.5%(6.3ポイント増)と増加したものの、「3歳~小学校就学の始期に達するまで」は22.1%と10.3ポイント減、「小学校入学以降も利用可能」は14.7%で3.5ポイント減と3歳以降の制度については減少していることがわかりました。
時短勤務といった育児のための所定労働時間の短縮措置などの制度がある事業所の割合は、74.5%と昨年度より7.3ポイント上昇し、最長利用可能期間は「3歳未満」が34.1%(2.0ポイント増)と最も高く、次に「小学校卒業以降も利用可能」が24.5%(6.0ポイント減)、「小学校就学の始期に達するまで」が21.7%(4.5ポイント減)と、こちらも3歳以降の制度に関しては減少傾向となっています。
令和4年度から2年ぶりの調査となった介護休業制度では、介護休業制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上で72.3%(0.5ポイント減)、事業所規模30人以上で90.5%(0.5ポイント増)という結果となりました。全事業所のうち同制度を利用し、介護休業取得者がいた事業所の割合は、1.9%(0.5ポイント増)となり、利用者の少ない実態がみられました。
このほか、昨年に引き続きハラスメントを防止するための対策の取り組みや対応状況などについてまとめています。ハラスメントの防止対策に「取り組んでいる」企業割合は、セクシュアルハラスメントが89.9%(3.9ポイント増)、妊娠・出産・育児休業などに関するハラスメントが88.0%(5.3ポイント増)、パワーハラスメントが90.0%(3.8ポイント増)と、3種すべてのハラスメントについて増加しており、職場環境改善に対する企業側の意識向上が伺える結果となりました。