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用語集

初動対応計画(インシデント・レスポンス/エマージェンシー・レスポンスプラン)

2011年12月20日

初動対応計画とは


「初動対応計画」は、災害時の人命保護を実現するために組織がとるべき行動を定めたものです。ここで言う“災害”とは、その対応に緊急性が要求されるものであり、たとえば地震や火事、爆発、水害、テロなどがこれに該当します。
なお、こうした災害における人命保護の活動を表す言葉に画一的なものはなく、組織や国によってその呼ばれ方も様々です。国内では「初動対応計画」や「緊急対応計画」といった言葉が比較的良く使われますが、この他にも「防災計画」や「インシデント・レスポンス」「災害時緊急対応計画」などといった表現があります。ここでは便宜上、以後「初動対応計画」という言葉を使います。
【主な規格・ガイドラインで使われている言葉】
海外/
グローバル
DIS/ISO22301 インシデント・レスポンス※
BS25999-2:2007(英国)
Good Practice Guideline 2010(BCI) インシデント・レスポンス※(一般的な組織)
エマージェンシー・レスポンス※(警察や消防など公共の救急サービス)
ASIS/BSI BCM.01-2010(米国) エマージェンシー・レスポンス※
NFPA1600:2007(米国)
TR19:2005(シンガポール)
国内 事業継続ガイドライン(内閣府) 初動対応
BCP策定運用指針(中小企業庁)
コンティンジェンシープラン策定の手引書(FISC) 緊急時対応

※インシデント・レスポンス: Incident Response(邦訳版ではインシデント・マネジメントと訳されています)
※エマージェンシー・レスポンス:Emergency Response

初動対応計画とBCP

初動対応計画の目的は“人命保護”、BCPの目的は“事業継続”というように、両者は一見、全く異なったもののように見受けられます。しかし実は、両者は補完関係にあるものです。BCPの目的である“事業継続”を実現させるためには人的資源の確保(人命保護)は最重要課題です。また、従業員の生活(人命)を守るためには企業の“事業継続”を可能な限り実現させてゆかなければなりません。

なお、初動対応計画やBCPを総称して一般的にBCP(広義のBCP)と呼んでいます。

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初動対応計画の中身

人命保護を目的とする「初動対応計画」の活動は、「緊急対応計画」と呼ばれることからも分かるとおり一般的に、発災直後から数時間(または数日間)内に発生する、対応にスピードが要求されるものばかりです。
こうした活動をインシデント・レスポンスと読んでいるBS25999-1:2006では、この計画における活動(例)として「従業員や来客者の人員掌握」「災害対応」「被害拡大防止」「被害の評価」「BCPの発動」を挙げています。

【従業員や来客者の人員掌握】

発災当初にその場に居合わせた従業員や来社中のお客様に的確な指示をだすことで身の安全を確保する活動です。場合によっては屋外の避難所への避難誘導をし、行方不明者がいないかなどの確認を行います。

【災害対応】

死傷者への対応(けが人への応急処置や医療施設への搬送、関係者への連絡など)や、閉じ込められた者への対応(エレベータや個室など自力で脱出することができなくなった者を救出する活動など)を指します。

【被害拡大防止】

火災エリアが拡大することを防ぐ初期消火活動や、水やガス漏れ防止のために行う閉栓行為、危険エリアへの立ち入り制限を設ける行為などを指します。

【被害の評価】

施設(建物のひび割れなど)、施設内の設備(窓や什器、空調、通路や壁など)の被害箇所、負傷者や帰宅困難者の数を把握する活動を指します。

【BCPの発動】

初期の被害状況評価結果に基づき、平時とは異なるスタイルで重要業務を継続する意思決定を行うことを指します。平時と異なるスタイルとはたとえば、自宅から業務を継続させたり、プライマリシステムからバックアップシステムへの切り替えを行ったり、システムを使わず手作業で業務を継続したりするようなケースを指します。
 

(文責:佐藤 雅彦

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