ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」を公表 環境省/農水省/経産省/国交省
掲載:2024年04月23日
リスクマネジメント速報
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環境省と農林水産省、経済産業省および国土交通省はこのほど、ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて政府の戦略を示した「ネイチャーポジティブ経済移行戦略~自然資本に立脚した企業価値の創造~」を策定、公表しました。ネイチャーポジティブ経済の実現は2023年3月に閣議決定された「生物多様性国家戦略2023-2030」の基本戦略の一つであり、ネイチャーポジティブ経済移行戦略はその重点施策との位置づけです。環境省で設置したネイチャーポジティブ経済研究会において議論を重ね、取りまとめられました。
ネイチャーポジティブとは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め反転させることであり、ネイチャーポジティブ経済とは、それに寄与する経済のことです。ネイチャーポジティブ経営といった場合は、自社の価値創造プロセスに自然資本の保全を重要課題として位置づける経営となります。
戦略では、ネイチャーポジティブ経済(経営)へと移行する必要性を示した上で、移行するに当たって企業がおさえるべき要素、新たに生まれるビジネス機会の具体例を整理しました。また、企業の取り組みを後押しする政府の施策も記しました。
とりわけネイチャーポジティブ経済(経営)が単なるコストアップではなく、ビジネス機会の創出につながると記し、企業に実践を促しました。世界経済フォーラムによる推計を基に、日本においては2030年時点でネイチャーポジティブ経済への移行により約47億円規模のビジネス機会が生まれると紹介しています。
政府の支援施策では環境省、農林水産省、経済産業省および国土交通省それぞれの施策が整理されています。環境省では例えば、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)などに基づく自然関連財務情報開示の促進などが挙げられています。
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